こどもの本
月刊「こどもの本」は、日本児童図書出版協会発行の月刊誌です。
当協会に参加している児童図書出版社41社の新刊情報や、児童書にまつわるエッセイや評論をお楽しみいただけます。

表紙のことば・うちむらたかし
哲学者ティリッヒの形而上学的大著を読んでいたときのことです。1ページ読むごとに認識が揺さぶられ、世界が広がる。今までで最も「冒険」と呼ぶにふさわしい体験でした。
最終巻の最終節、「この本を読み終わったら自分はまったく違ったところに立っているだろう」という予感と共にページをめくります。ついに読了した本を置いたとき、奇妙なことに気が付きました。たどり着いたところは、日常だったのです。何が起こるかわからない手探りの日常こそが、世界の豊かな響きに耳を澄ます場なのだと気付いたのでした。
内村尚志
幼少期を豪州で過ごす。大学在学中に仏語、西語、独語を習得。2016年にクレヨンハウス絵本大賞で優秀作品賞受賞。絵本の最新作は『くるまね? でんしゃさ!』。
https://www.takfrog.net/
2023年11月1日発行
定価(本体150円+税)
ISSN 0385-0463
月刊「こどもの本」
2023年11月号
心にのこる一冊
フリズル先生のマジック・スクールバス からだたんけん 鈴木香里武
●特別連載
平和な世界を願って〜子どもの本にできること〜⑪ 堀川理万子
私の新刊
ある日の庭日記⑪ 大野八生
境界探検雑記帳⑤
マニアが注目する県境オブジェクト 西村まさゆき
新聞書評に紹介された本
翻訳作品から考える 子どもの本の現在地④
「バーベンハイマー」から見たアメリカと日本 三辺律子