日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『シニカル探偵安土真 ③写生大会はトラブルいっぱい!』 齊藤飛鳥

(月刊「こどもの本」2024年7月号より)
齊藤飛鳥さん

作者と主人公達のにぎやか対談

安土真(以下真)「このたびは『シニカル探偵安土真』シリーズを取り上げてくださり、まことに感謝いたします。美少年名探偵の安土真です」

渡辺さくら(以下さくら)「主人公兼語り手にして、トラブルを引き寄せる疫病神体質の渡辺さくらです」

作者「作者の齊藤飛鳥です」

真「ねえ、作者さん。どうしてぼくらの物語を書こうと思ったのさ?」

作者「推理小説が大好きで、少年探偵団物を書いてみたかったから」

さくら「『好きを形にしてみました』的に言っているけど、あなたが言うところの少年探偵団、わたし達で言うところの〈放課後カイケツ団〉のメンバーが、そろいもそろってクセの強い子ばかりなのはどうして?」

作者「日常いい子であることを強いられている子ども達が、読書の時くらいは物語の登場人物達と一緒に自由気ままにすごせるようにしたかったから」

真「一種の願望充足、ストレス発散を目的としているからか。いいね」

さくら「メンバーの一人が事件を引き寄せて、残りのメンバーで解決するマッチポンプな少年探偵団物で発散されるストレスってなに? そもそも、そんなコンビって、あり?」

作者「君達の物語は、子ども達の身近に潜む様々なトラブルを紹介し、推理を通じて読者が解決方法を学ぶことで防犯につなげるようにしているんだ。だから、疫病神体質のさくらと、事件を解決する真のマッチポンプなコンビの方が、物語上都合がいいの」

真「すると、ぼくらのシリーズのテーマは防犯だったのか。その点を注目して読んでみるのもよさそうだ」

作者「そういうこと。防犯、大事!」

さくら「こいつら、とんでもない内容を、さもいい話みたいな感じにまとめちゃった! ……えっと、そういうわけで『シニカル探偵安土真』シリーズは、クセの強い子ども達が自由気ままに活躍。いくつもの事件を解決していきながら、防犯をテーマに突き進んでいく物語です。これからも、どうぞよろしくお願いいたします!」

(さいとう・あすか)●既刊に『子ども食堂かみふうせん』『へなちょこ探偵24じ』、羽生飛鳥名義で『蝶として死す』など。

『シニカル探偵安土真
国土社
『シニカル探偵安土真 ③写生大会はトラブルいっぱい!』
齊藤飛鳥・作/十々夜・絵
定価1,760円(税込)