日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

“さがしています。こんな本”

月刊「こどもの本」2013年8月号より

夏休みにおくる自然科学の本2013


カビのふしぎ 実験しよう

細矢剛/監修・写真、伊沢尚子/著(汐文社 3300円)

カビなんて汚い?! でもカビがいないと地球は大変!! パンやミカンにカビを生やすかんたんな実験から、研究者も行う寒天を培地にした実験など、カビのふしぎがもりだくさん! 日本の国菌でもある麹カビやカツオブシカビなど、さまざまなカビを調べることで、身近な所にある目には見えないふしぎを見つめます。夏休みの自由研究にぴったりです。(小学中学年から)


生きものいっぱい ゆたかなちきゅう

本川達雄/うた、ワタナベケンイチ/え(そうえん社 1200円)

歌う生物学者・本川達雄による「生物多様性」のうたが絵本に! うたと絵を楽しみながら、多様な生物がいることこそがほんとうの自然の豊かさなのだということがわかります。読み聞かせにもぴったりの絵本です。国連生物多様性の10年日本委員会により〈生物多様性の本箱〉の中の1冊に選ばれました!(幼児〜小学低学年)


わたしのウナギ研究

海部健三/著(さ・え・ら書房 1300円)

ウナギはなぜ減少しているのか? どうすれば守ることができるのか?太平洋の産卵場調査はめざましくすすんだが、すぐ足もとの川にすんでいるウナギの生活は、意外にもまだ知られていないことが多い……岡山県の児島湾・旭川で調査をおこなった若き研究者の記録。研究とはどういうことなのかが、ていねいに描かれている。(小学高学年から)


蝶の目と草はらの秘密

ジョイス・シドマン/文、ベス・クロムス/絵、百々佑利子・他/訳(冨山房 2000円)

人には見えないものを見ることのできる生物とは何か? 泡のなかに身をかくす昆虫とは何か? ただ一つの生き物をのぞき、ほかの生き物たちすべてに有毒な植物とは何か? リズミカルな詩句による《なぞかけ》と、科学の知識をユニークに組み合わせた絵本から、草はらの隠れた世界を見つけてみよう!(小学中学年から)


動物ガチンコ対決
白銀世界の王者ホッキョクグマ対命知らずの猛者グリズリーベア
イザベル・トーマス/著、今西 大/訳(鈴木出版 1800円)

もしも、ホッキョクグマとグリズリーベアが対決することになったら、さて、どっちに軍配があがるでしょう? 5ラウンド制の対決という形式でその生態について詳しく見ていく本書は、自由研究にもぴったり。しかも切り口がおもしろい! 夏休みに動物園に行って観察してみましょう! シリーズでほかに4冊あります。(小学低学年から)


世の中への扉

おどろきのスズメバチ

中村雅雄/著(講談社 1200円)

都市部にも巣を作り、人を襲う「害虫」として悪名高いスズメバチ。しかし、彼女たちの視点に立つと、人間社会にも通じる精妙な自然の営みが見えてきます。40年以上スズメバチを研究してきたハッチー先生(著者)が、意外と知られていないスズメバチの生態から、身近な自然に思いをはせる想像力までを伝えます。(小学高学年から)


いこう! 絶滅どうぶつ園

今泉忠明/文、谷川ひろみつ/絵(星の環会 1300円)

絶滅どうぶつ園には、この地球のどこへ行っても、今では決して見られない動物たちがいます。巨大なマンモス、ナイフのような牙をもつサーベルタイガー、奇妙なガチョウのようなドードー、のんびり泳ぐステラーダイカイギュウなど。かつて繁栄した動物たちです。でもなぜ、いなくなってしまったのでしょう。そのわけは一つではありません。(小学低、中学年)


頭もよくなるちょこっと&じっくり

科学脳マジック

米村でんじろう/監修(ひかりのくに 1000円)

「穴を通り抜けるコイン」や「鉛筆をさしても割れない袋」、「不思議な手のりシャボン玉」などなど、子どもが科学に興味を持つきっかけとなる科学のタネを盛り込んだ手品が満載! 身近なものでスグ、簡単にできるものから、じっくり取り組む本格的なものまでバラエティ豊富です。(5歳〜小学低学年)


科学のアルバム アリの世界

栗林 慧/著(あかね書房 1500円)

アリの世界のふしぎを、その種類、一生をおってしらべていきます。巣づくりの様子、アブラムシの牧場など、めずらしい生活ぶりも紹介します。飼育の方法も紹介していますので、夏休みにそのくらしを観察するのもたのしいものです。(小学低学年から)


海獣図鑑

荒井一利/文、田中豊美/画(文溪堂 2500円)

アシカとオットセイの違いってわかりますか? 鰭脚類(ききゃくるい)と呼ばれる彼らのヒレの構造から、生息地、現在置かれている環境など、様々な側面から「海獣」を紹介した図鑑です。豊富なイラストと貴重な写真がオールカラーで多数掲載されています。(小学中学年から)


今森光彦の昆虫教室(全2巻)

今森光彦/作(童心社 各1750円)

少年のころ虫の面白さに魅了されて以来、豊かな自然と生きもののかかわりを見つめてきた今森光彦。『とりかた・みつけかた』では、昆虫採集のコツから標本のつくりかたまでを紹介。『くらしとかいかた』では、虫のくらしを知ったうえでの、飼育と観察のコツを伝授します。初心者から昆虫少年まで、虫そして自然への好奇心を満足させてくれる本です。(4歳〜中学生)


カタツムリ

草野慎二・栗林 慧/写真、日髙敏隆総合監修(リブリオ出版 2000円)

背中にうずまきもようの殻を背負って、ゆっくり歩くカタツムリ。その姿はかわいく見えたりするから不思議です。しかし、もっと不思議なことは体の仕組みにあります。カタツムリにはオスとメスの区別がない?食べたものによって糞の色が変わる?などなど。カタツムリの不思議な体の仕組みと生態を貴重な写真満載でご紹介します。(小学中学年から)


みつけたよ さわったよ にわのむし

澤口たまみ/ぶん、田中清代/え(福音館書店 900円)

ひっくりかえった植木鉢から小さな生きものを見つけました。ころころと丸くなったダンゴムシです。手のひらには、丸くならないワラジムシもいます。いろいろな生きものに触りながら、お母さんがその生きもののことを教えてくれます。一緒なら、安心して触れます。庭の小さな空間で、身近な生きものを見つけ、さわってみる、観察・図鑑絵本です。(幼児から)


もし、あなをずっとほってくとちきゅうのうらにでられるの?

きむらゆういち/さく、やましたこうへい/え(教育画劇 1200円)

子どものころ、だれもが抱く科学的疑問を分かりやすく教える楽しいしかけ絵本ができました。自分たちの立っている地面の下のことが、とっても愉快によく分かる『かがくはじめのいっぽ』絵本。つきのわ3きょうだいと一緒に、地面の秘密に迫る冒険の旅に出かけよう! 幼い子どもたちの柔らかな科学の芽をすくすくのばす、楽しい絵本です!(4、5歳から)


月の満ちかけ絵本

大枝史郎/文、佐藤みき/絵(あすなろ書房 1200円)

月の満ちかけのしくみが一目でわかるユニークな知識絵本。新月から三日月、そして満月を経て、再び新月へとめぐるサイクルをたどりながら、月と宇宙の神秘に迫ります。地球と月の関係や、潮の満ち引きと月の関係もわかりやすく図解! 親子で楽しく学べる「月観察」絵本です。 「2012年~2019年の月の満ちかけ表」付き。(小学中学年から)


タツノオトシゴ

ひっそりくらすなぞの魚

クリス・バターワース/文、ジョン・ローレンス/絵、佐藤見果夢/訳(評論社 1300円)

ウマのような顔、サルのようなしっぽ、カンガルーのようなふくろを持つタツノオトシゴ。立ったすがたで泳ぐふしぎな魚です。求愛のあとは、メスがオスのふくろに卵をうみ、オスが卵をかえします。サンゴ礁の海でしずかにくらす小さな魚の生活を、美しいイラストで紹介する科学絵本。(小学低、中学年)


この羽 だれの羽?

おおたぐろまり/作・絵(偕成社 1600円)

身近に落ちている鳥の羽を実物大のイラストで紹介。拾ってきた鳥の羽をイラストの横に並べれば、何の鳥かすぐにわかります。身近にみられる鳥、水べでくらす鳥、すてきな羽をもつ鳥など19種類の鳥の羽を掲載し、羽の大きさや形、色、模様などの違いから、羽の役割について学びます。1枚の羽から鳥のくらしがみえる絵本図鑑。(小学中学年から)


わくわく自由研究 工作・観察・実験ブック②

山崎健一/著(国土社 1000円)

身近にあるものを使って、ユニークな実験・工作・観察ができる自由研究のおたすけブック。一目でわかる難易度表示、注意点、工夫のポイントを示し、科学の「なぞ」や「しくみ」が自然に学べます。自由研究のテーマやヒントが満載。進め方やまとめ方も表示。具体的で、すぐに役立つ本です。オールカラー版で、楽しくチャレンジできます。(小学中学年から)


雲のかたちで天気がわかる

新田 尚/ぶん(大日本図書 1333円)

雲には基本的に10種類のかたちがあり、それらの組み合わせや変形で、私たちの見るさまざまな雲のかたちとなってあらわれます。これらの雲の基本10種をわかりやすく説明しており、天気がどのようにかわっていくのか予想することができます。また見開きごとに雲に関する疑問に答えるコーナーも設けております。(小学高学年)


野生のゴリラと再会する

二十六年前のわたしを覚えていたタイタスの物語
山極寿一/著(くもん出版 1400円)

1980年、ゴリラの国に留学した著者。野生のゴリラたちと過ごした2年間に、彼らから教えられたこととは。そして特に親密な付き合いをした「タイタス」は、26年後の再会時、著者のことを覚えていたのでしょうか。興味深いゴリラの世界から、人間についても考えさせられるノンフィクションです。(小学高学年から)


きみが作るティラノサウルス

ドーリング・キンダースリー/作、あさのみさこ/訳(大日本絵画 2200円)

のりもはさみもいらない、組み立て簡単な紙製、特大ティラノサウルスが作れます。模型を組み立てながら、「ものしり図鑑」を読めば、ティラノサウルスが獲物をどうやって捕まえたのか、どのように子どもを育てたのか、絶滅したわけを知ることができます。(小学高学年から)


田んぼの生きものたち

メダカ・フナ・ドジョウ

市川憲平/文・写真、津田英治/写真(農文協 2500円)

メダカの群れが水の流れの変化にすぐに反応して一斉に方向転換できるのは、特定のリーダーがいないから。これが「メダカの学校」の真実!?水面に落ちてくる小さな虫を上手に食べることができるのは、メダカの口が上向きだから。人とともに生きる魚たちの不思議や驚きの生態、暮らしぶりを克明に観察して伝える写真絵本です。(小学中学年から)


琵琶湖のカルテ

科学者たちからのメッセージ
今関信子/著(文研出版 1300円)

日本最大の湖、琵琶湖。この湖は、日本でいちばん古い湖でもある。誕生以来、琵琶湖はさまざまな固有種をはぐくみ、また人間たちに大きな恵みをあたえてきた。その琵琶湖が、人間の活動による環境の変化で、いま調子をくずしつつある。「琵琶湖の医者」として、湖をずっと見守ってきた科学者たちの研究を通して、現在の琵琶湖のすがたに迫る!(小学高学年から)


最新版 こども科学わくわく新聞

宇宙天文・恐竜編
渡部潤一・他/監修、浅田英夫・他/文、さこやん・他/絵(世界文化社 1800円)

人気の新聞形式シリーズ第3弾。今注目の宇宙・天文と恐竜の最新情報が新聞形式で登場。今年2月にロシア、ウクライナ地方に落ちた隕石の情報など最新情報を掲載。スクープあり解説あり、マンガあり。写真やイラストでわかりやすく紹介。どこから読んでも、おもしろくてためになる、科学のわくわくがいっぱい。理科の教科書の副読本として最適!(小学3年生〜大人)


しぜんにタッチ!

こんちゅうかくれんぼクイズ

須田孫七/監修、片野隆司・他/写真(ひさかたチャイルド 1200円)

虫たちのなかには、擬態といって、葉っぱや花などの自然物にそっくりな姿をすることで、敵にみつからないように身を守ったり、獲物を捕まえたりするものがいます。本書では、みごとに擬態する虫たちを、自然物を並べ、クイズ形式で紹介した後、その虫が実際に環境にとけこんでいる姿や生態を、鮮明な写真でみていきます。(3、4歳から)


グレゴール・メンデル

エンドウを育てた修道士
シェリル・バードー/文、ジョス・A・スミス/絵、片岡英子/訳(BL出版 1600円)

農家の息子として生まれたメンデルは、幼い頃からいつかは自分が自然の謎をときたいと思っていました。一家の暮らしがきびしく、食べ物にも事欠く学生生活の中で、必死に勉強を続け、修道士の職を得て…。メンデルの法則で知られるグレゴール・メンデルの伝記絵本。エンドウの実験については出来る限り詳細に手順が示されています。(小学高学年から)


チョウのはなし

かしこくておしゃれでふしぎな、ちいさないのち
ダイアナ・アストン/文、シルビア・ロング/絵、千葉茂樹/訳(ほるぷ出版 1500円)

世界におよそ2万種いるといわれるチョウは、外見も生態もさまざま。旅をするチョウ、毒のあるチョウ、役に立つチョウ……と、自然界の知恵や不思議がいっぱいのチョウを、リアルだけれどあたたかみのある美しいイラストで紹介しています。身近な自然や生き物に興味を持つきっかけになる、美しい知識絵本。(幼児から)


舟をつくる

関野吉晴/監修・写真、前田次郎/文(徳間書店 1600円)

自然から採取したものだけで、舟をつくろう。木を切るには、道具がいる。ナタやオノをつくるため、砂鉄を集めよう。その砂鉄で、鋼をつくり、鍛えて…。昔ながらの方法で、丸木舟ができあがるまでをたどる写真絵本。探検家・関野吉晴が、武蔵野美術大学の学生とつくった1艘の丸木舟。一つのものを、機械を使わずにつくりあげる醍醐味を伝えます。(小学高学年から)


ちいさな鳥の地球たび

藤原幸一/写真・文(岩崎書店 1400円)

北極から南極まで旅をする渡り鳥キョクアジサシを主人公とした写真絵本。3万5千キロの旅の途中、いろいろな動物たちと会い、温暖化や森林伐採、ゴミ問題など、地球上の様々な環境問題を見ていきます。渡り鳥の目を通して、地球環境問題を考えてみましょう。読み聞かせにも最適です。(小学低学年から)


深海の怪物 ダイオウイカを追え!

窪寺恒己/著(ポプラ社 1200円)

深海にすみ、最大で全長18mをこえるといわれるダイオウイカ。海洋生物学者の窪寺博士は、そんな幻の怪物を10年以上にもわたって調査し続け、ついに世界で初めて、その生きて深海を泳ぎまわる姿を撮影することに成功します。謎につつまれたダイオウイカを追い続けた窪寺博士の、挑戦の日々を追う科学ノンフィクションです。(小学中学年から)


水のコレクション

内山りゅう/写真・文(フレーベル館 1600円)

地球上の水のうち、ほんのわずかしかない水─淡水。そんな〝清らかな水〟に魅せられて、身近な水環境によりそい、水の中でシャッターを切り続けてきた写真家・内山りゅう氏が写した水の姿が大集合! 撮影地はすべて私たちの住む、日本です。水の循環、水そのものの美しさや不思議さ、そして日本の水環境の豊かさを写真で伝えます。(小学中学年から)


色わけいきものずかん

アンドレ・ボス/絵、小宮輝之/監修、高岡昌江/日本語版文(学研マーケティング 1400円)

フランスからやってきた、新しい絵本図鑑です。生き物のからだの色に注目し、赤・青・黄など12項目に分類。同じ色を見開きに集合させることで、さらに自然の鮮やかさに気づかされます。合計約250種の生き物を紹介。フランスのイラストレーター、アンドレ・ボスのすばらしい細密イラストが圧倒的な迫力で迫ります。(幼児~小学生)


コツをつかめば、きみにもできる!

昆虫の探し方・飼い方大図鑑

カブトムシからカマキリ、スズムシまで
藤丸篤夫/著(PHP研究所 2800円)

カブトムシやクワガタムシ、カマキリなど、男の子が大好きな昆虫から、コオロギ、アゲハチョウ、さらにはアリ、ダンゴムシまで、昆虫の飼い方と見つけ方をやさしく紹介した図鑑。昆虫カメラマンの著者・藤丸氏が本書のために撮影した美しい写真で魅せます。藤丸氏が日ごろ実践しているノウハウが満載です。(小学中学年から)


ひまわり

荒井真紀/文・絵(金の星社 1200円)

ヒマワリは、1粒の小さな種から大きな花を咲かせ、たくさんの種をのこします。本書は、その生命力あふれる一生を紹介した絵本です。美しい細密画で、ヒマワリの姿や生長の過程、新しい命ができていく様子まで丁寧に描いています。子どもたちが、自然の不思議や命の神秘を、それぞれに感じてくれる1冊。小学校生活科の副教材にも最適です。(5歳から)


バーナムの骨

ティラノサウルスを発見した化石ハンターの物語
トレイシー・E・ファーン/文、ボリス・クリコフ/絵、片岡しのぶ/訳(光村教育図書 1500円)

世界で初めてティラノサウルスの化石を発掘したバーナム・ブラウン。「ゆくゆくは、ずばぬけて立派なことをして、みんなをびっくりさせるんだよ」両親に託された夢は、いかにして実現されたのか? 魅力的な人柄と目を見張る功績をユーモアたっぷりに描いたノンフィクション!(小学中学年から)


小学館の図鑑NEOの科学絵本

宇宙探検えほん

宇宙航空研究開発機構/監修協力、池下章裕・他/画(小学館 1700円)

どうすれば宇宙飛行士になれるの? 人間が行った一番遠い場所はどこ? 地球以外にも生命はいるの? どんなロケットがあるの? はやぶさはどこまで行って帰ってきたの? 太陽系・銀河、ロケット、宇宙飛行士など世界の最新の宇宙開発について、リアルなイラストと写真で図解します。宇宙を夢見る子どもたちの疑問に答える図鑑絵本です。(小学生)