日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

“さがしています。こんな本”

月刊「こどもの本」2013年6月号より

自然保護を考える本

田んぼの昆虫たんけん隊

里中遊歩/文・田代哲也/絵(星の環会 本体一三〇〇円)

都市化の進んだ田舎の風景にがっかりした子どもたちは「昆虫たんけん隊」を結成! 昆虫を見つけた子どもたちは、自然を大切にしようと心に決めます。(小学低、中学年)

多摩川のおさかなポスト

山崎充哲/文・小島祥子/絵(星の環会 本体一三〇〇円)

飼えなくなってしまった外来種の魚を川に捨てないで! かつてたまゾン川と呼ばれた多摩川の生態系を守るため、山崎さんはおさかなポストを作りました。(小学低、中学年)

ガウディの青い海

田島伸二/作・谷川ひろみつ/絵(星の環会 本体一三〇〇円)

大都会の水族館を脱出した大亀ガウディ。かつて住んでいた海は汚染され死にかけていた。変わり果てた海を元に戻すため、命がけで核実験阻止に向かう。(中学生)

ゴリラ図鑑

山極寿一/写真・文・田中豊美/画(文溪堂 本体二五〇〇円)

ゴリラ研究の第一人者である作者が、30年以上に渡る現地調査を基に作りあげた図鑑。生態、保護活動等をわかりやすくまとめています。(小学高学年から)

1000000ぼんのブナの木

塩野米松/文・村上康成/絵(ひかりのくに 本体一二〇〇円)

1000000本のブナの木やまに、人間の子どもが忘れていった1枚のバンダナが落ちていました。森に冬が来て、そして春が…。(3歳から)

なつのいけ

塩野米松/文・村上康成/絵(ひかりのくに 本体一二〇〇円)

自然の良さ・美しさ、生命の強さがひしひしと伝わるエネルギッシュな夏の池を、自然を愛する村上康成ならではの画風・構図・パワーで描きます。(3歳から)

こどものずかんMio⑫ きせつとしぜん

ひかりのくに編集部/編(ひかりのくに 本体七六二円)

幼児に自然環境の大切さを伝える絵本形式のニュータイプな図鑑シリーズ第12巻。四季を代表するものを紹介しながら、自然の素晴らしさを伝えます。(3歳から)

ワンガリ・マータイさんとケニアの木々

ドナ・ジョー・ナポリ/作・カディール・ネルソン/絵・千葉茂樹/訳(鈴木出版 本体一九〇〇円)

「もったいない」で有名なマータイさんの知恵と情熱、やがて世界に広がっていくことになるグリーンベルト運動の精神を伝える絵本です。(小学中学年から)

タンポポたいへん!

シャーロット・ミドルトン/作・絵・アーサー・ビナード/訳(鈴木出版 本体一五〇〇円)

モルモットたちは、タンポポのはっぱが大好物で毎日毎日食べていました。ところが…。環境破壊や食料危機の問題も見え隠れする奥の深い絵本です。(4歳から)

湿地の大研究

遊磨正秀/監修(PHP研究所 本体二八〇〇円)

川や湿原、干潟などの湿地は、生命のゆりかご。そこに生きる生物の生態、湿地と人とのかかわり、環境保全などをわかりやすく紹介した1冊。(小学中学年から)

地球の水SOS図鑑

田中賢治、浜口俊雄/著(PHP研究所 本体二八〇〇円)

5億人が水不足で、11億人が安全な水を飲めない。毎年200万人以上が、水汚染が原因の伝染病で亡くなっている。水資源の現状を解説。(小学中学年から)

生物多様性の大研究

小泉武栄/監修(PHP研究所 本体二八〇〇円)

植物、動物、微生物など、多様な生物のはたらきで保たれている地球の生態系。多様性によるめぐみと人間がもたらしている危機の現状を紹介。(小学中学年から)

みんなで見守る世界遺産 白神山地

齋藤宗勝/著(アリス館 本体一四〇〇円)

世界遺産登録から20年。白神山地を保護し育てる創意と工夫。子どもたちの世代にバトンタッチしていく壮大なロマンがそこにある。(小学高学年〜中学生)

世の中への扉 ゴミにすむ魚たち

大塚幸彦/文・写真(講談社 本体一四〇〇円)

海にすてたゴミは、目に見えなくなっても、消えてしまうわけではない。ゴミの中でたくましく生きる小さな生物の姿を水中カメラマンが伝える。(小学中学年)

15歳の寺子屋 ゴリラは語る

山極寿一/著(講談社 本体一〇〇〇円)

ゴリラ研究のトップランナーが、ゴリラとの交流、フィールドワークの醍醐味、エコツーリズムへの希望などから、ヒトのありようを逆照射する。(中学生)

世の中への扉 ぼくの仕事場は富士山です

近藤光一/著(講談社 本体一二〇〇円)

日本一の山・富士山に500回以上登ったプロガイドが、ともに登る人々のドラマによりそいながら、知られざる富士山の魅力を丁寧に伝える。(小学高学年)

その手に1本の苗木を マータイさんのものがたり

クレア・A・ニヴォラ/作・柳田邦男/訳(評論社 本体一四〇〇円)

ノーベル平和賞受賞者で「モッタイナイ」を広めたケニアの環境保護活動家マータイさん。1本の苗木から緑を育てる運動を始める姿が絵本に!(小学中学年から)

ぼくとサンショウウオのへや

アン・メイザー/さく・スティーブ・ジョンソン、ルー・ファンチャー/え・にしかわかんと/やく(福音館書店 本体一二〇〇円)

ぼくは森でサンショウウオを見つけました。お母さんが聞きます。サンショウウオが快適に過ごせる環境とは? 生物が生きられる自然を考えていきます。(小学低学年)

子どもに愛されたナチュラリスト

シートン

今泉吉晴/著(福音館書店 本体一八〇〇円)

シートンは動物についてたくさんの物語を書いただけでなく、自然保護に多大な貢献をしたナチュラリストです。その人物と生涯をかけた活動を描きます。(小学高学年)

積みすぎた箱舟

ジェラルド・ダレル/作・セイバイン・バウアー/画・羽田節子/訳(福音館書店 本体七五〇円)

英国自然保護運動の草分けであるダレルの記念すべき第1作。アフリカ・カメルーンでの野生動物採集の旅は、現地の人も巻き込んだ大騒動になりました。(小学高学年)

守ってのこそう!いのちつながる日本の自然

森・川・海つながるいのち

畠山重篤/著(童心社 本体二九〇〇円)

森に木を植え続けて20年以上、カキ養殖業の著者が自らの体験を通してつかんだ、森・川・海のいのちのつながり。自然保護を考える大きな視点。(小学高学年から)

考えよう!地球環境 身近なことからエコ活動(全5巻)

財団法人環境情報普及センター/監修・竹内聖子・他/文(金の星社 本体各三二〇〇円)

美しい地球の自然豊かな環境を守るために、私たちができることは何かを考えさせるシリーズ。地球にやさしいエコライフの知恵が満載です。(小学中学年から)

野生動物被害から考える環境破壊 今、動物たちに何が起きているのか(全5巻)

三浦慎悟/監修(金の星社 本体各三二〇〇円)

野生動物による人身被害や、森林被害、農業被害など、深刻化している被害の実態を紹介し、その原因を考え、被害を防ぐ方法について解説します。(小学高学年から)

地球を守れ めざせ!エコクイズマスター(全4巻)

ワン・ステップ/編(金の星社 本体各二〇〇〇円)

温暖化、ゴミ、自然保護など、地球がかかえる様々な問題をバラエティー豊かなクイズで楽しく学び、遊びながらエコ習慣を身につけていくシリーズです。(小学高学年から)

つながってるよ いのちのWA!

オガサワラオオコウモリ 森をつくる

有川美紀子、鈴木 創/文と写真(小峰書店 本体一四〇〇円)

小笠原諸島固有の生きもので唯一のほ乳類オガサワラオオコウモリ。300頭ほどに減ってしまったオオコウモリの生態を紹介、人間との共生の道を考えます。(小学中学年から)

つながってるよ いのちのWA!

アザラシ 流氷の海へ

廣崎芳次/文・原 志利/写真(小峰書店 本体一四〇〇円)

流氷の上で子育てをするオホーツク海のアザラシ。でも、流氷がとけて海に落ちてしまったら? 赤ちゃんアザラシを保護し、海にかえす活動を紹介します。(小学中学年から)

つながってるよ いのちのWA!

ハクチョウ 水べに生きる

嶋田哲郎/文・伊藤利喜雄/写真(小峰書店 本体一四〇〇円)

毎年秋になると、ロシアから海を渡り日本にやってくるハクチョウ。春まで沼や湖の水辺でくらす様子など、長年その生態を観察し続ける著者が紹介する。(小学中学年から)

ホタルがすきになった日

都会にホタルを取りもどした阿部宣男
国松俊英/文・藤本四郎/絵(佼成出版社 本体一五〇〇円)

板橋区ホタル飼育施設長・阿部宣男さんの半生を紹介する。ホタルが苦手だった阿部さんが、どうして都会でホタルを取り戻すことになったのか…?(小学中学年から)

野生の動物を守りたい

めくりしかけえほん
フランセス・バリー/さく・たにゆき/やく(大日本絵画 本体一五〇〇円)

動物のくらしを守るために、何が出来るのか? 野生動物との共存や自然保護について、わかりやすく紹介しています。コラージュ絵のやさしい風合いも魅力。(3歳から)

木を植えた男

ジャン・ジオノ/原作・フレデリック・バック/絵・寺岡 襄/訳(あすなろ書房 本体一六〇〇円)

南仏プロヴァンスの荒れ果てた土地に、人知れず木を植え、緑の森をよみがえらせた男の物語。環境文学の先駆的役割を果たした感動の名作。(小学中学年から)

ひとりぼっちのジョージ

ペンギンパンダ/作・絵(ひさかたチャイルド 本体一五〇〇円)

ガラパゴス諸島で奇跡的に見つかった最後のゾウガメ「ロンサム・ジョージ」。ジョージの視点から自然との共生への思いを描いたお話。(小学低学年から)

もうひとつのどうぶつえん

絶滅どうぶつものがたり
宮川アジュ/構成・絵・立体制作・富田朋子/文・今泉忠明/監修(ひさかたチャイルド 本体一六〇〇円)

10種類の絶滅動物たちをフィギュアで再現し、エピソード付きで絶滅理由を解説。環境について考えるきっかけになる絵本です。(小学低学年から)

ホッキョクグマの赤ちゃんを育てる!

円山動物園のねがい
高橋うらら/著(ポプラ社 本体一二〇〇円)

ホッキョクグマの飼育を通して、自分たち人間以外の生きもののことも考えてほしいという円山動物園の取り組みを紹介します。(小学高学年から)

オランウータンのジプシー

多摩動物公園のスーパーオランウータン
黒鳥英俊/著(ポプラ社 本体一二〇〇円)

器用に道具を使う多摩動物公園の人気者ジプシーさんとの秘話やジプシーさんの故郷、インドネシアでのオランウータンの保護活動を紹介。(小学中学年から)

ヒグマの楽園

久保敬親/写真・文(ポプラ社 本体一三〇〇円)

あこがれのヒグマを撮影しようと山に入る著者。ヒグマをおそれていたが、ヒグマも人間を怖がっていることを知る。野生動物との共生を考える。(小学高学年から)

オランウータンに会いに行く

横塚眞己人/文・写真(偕成社 本体一四〇〇円)

ボルネオ島の熱帯雨林に生息するオランウータン。巨木の上で生活するふしぎな類人猿、オランウータンの暮らしを伝える写真絵本。(小学低学年から)

わすれたくない海のこと

辺野古・大浦湾の山・川・海
中村卓哉/文・写真(偕成社 本体一五〇〇円)

生物多様性の海として知られる辺野古・大浦湾。その生態系を支える、山・川・海をつなぐ水の循環の旅をたどる写真絵本。(小学中学年から)

サンゴの海

長島敏春/写真・文(偕成社 本体一五〇〇円)

サンゴについてのさまざまな疑問に美しい写真で答えていく写真絵本。日本最大のサンゴの島である石垣島の海をみつめながら考えます。(小学中学年から)

CO2のりものずかん

三浦太郎/作(ほるぷ出版 本体一三〇〇円)

地球温暖化の原因と言われているCO2。なにがどれだけCO2をだしているか、身近な乗り物をくらべ、目に見えないCO2を実感し、環境への関心を広げます。(3、4歳から)

ぼくはくまのままでいたかったのに……

イエルク・シュタイナー/ぶん・イエルク・ミュラー/え・おおしまかおり/訳(ほるぷ出版 本体一四〇〇円)

平和な山奥の森に冬眠しているクマがいた。その森に人間がきて、木を切りたおし工場を作ると、眠りからさめたクマは、工場の労働者にされてしまい…。(6歳から)

ちきゅうの子どもたち

グードルン・パウゼヴァング/ぶん・アンネゲルト・フックスフーバー/え・さかよりしんいち/やく(ほるぷ出版 本体一四〇〇円)

便利さや豊かさを求め自然を破壊し続ける人間たちに対して、ついに地球がとった行動とは?地球と人間のありかたをするどく問う絵本。(6歳から)

トキよ未来へはばたけ

ニッポニア・ニッポンを守る人たち
国松俊英/著(くもん出版 本体一五〇〇円)

トキの歴史を絶滅から守ろうとした人たちをたどり、野生復帰の可能性や、人間と自然・生きものとの関係を考えます。(小学高学年から)

きみの町にコウノトリがやってくる

キム・ファン/著(くもん出版 本体一四〇〇円)

コウノトリの魅力、復活までの道のりや生息地を広げるための取り組みなどを、さまざまな人たちの活動を通して伝えます。(小学高学年から)

野鳥もネコもすくいたい!

小笠原のノラネコ引っこし大作戦
高橋うらら/文(学研マーケティング 本体一二〇〇円)

小笠原の貴重な海鳥がおそわれている。犯人は野生化したネコ。どちらも大事、どちらも救いたい。多くの力を合わせノラネコ捕獲活動が始まった!(小学中学年から)

あきらめないこと、それが冒険だ

エベレストに登るのも冒険、ゴミ拾いも冒険!
野口 健/文(学研マーケティング 本体一二〇〇円)

世界7大陸最高峰登頂に成功した野口健さんは、エベレストの清掃登山など環境保護活動に取り組んでいる。そんな野口さんから子どもたちへのメッセージ。(小学中学年から)

ヤマネのすむ森

湊先生のヤマネと自然研究記
湊 秋作/文(学研マーケティング 本体一二〇〇円)

太古から生き続けている不思議な動物ヤマネ。この小さな動物に興味を持って30年以上研究をしている湊先生。ヤマネから、環境を考える視点も生まれます。(小学中学年から)

シリーズ鳥獣害を考える(全6巻)

杉田昭栄・他/監修(農文協 本体各二五〇〇円)

田畑を荒らし、時には人も襲う鳥獣の生態、被害増加の原因を絵解き、共存の道を考える。カラス、イノシシ、シカ、サル、モグラ、ハクビシンなど全6巻。(小学中学年から)

わすれられたもり

ローレンス・アンホルト/作・絵・さくまゆみこ/訳(徳間書店 本体一五〇〇円)

むかし国じゅうをおおっていた森は、今ではすっかり小さくなり、人々に忘れられていました。子どもたちをのぞいては…。心に残る絵本。(5歳から)

ピンク! パール!

村上康成/作・絵(徳間書店 本体一三〇〇円)

恋人をつれ、海から故郷の川にもどってきたヤマメ。でも水は汚れ、ダムが行く手を阻み…?ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌受賞作。(5歳から)

ゾウの王パパ・テンボ

エリック・キャンベル/作・さくまゆみこ/訳・有明睦五郎/挿絵(徳間書店 本体一五〇〇円)

ゾウの密猟者を追うハイラム。巨大ゾウと心通わせるアリソン。広大なサバンナを舞台にダイナミックに描く、人間と動物の壮絶なドラマ。(10代から)

熱帯雨林のコレクション

横塚眞己人/写真・文(フレーベル館 本体一六〇〇円)

生物の宝庫、熱帯雨林。地球上に酸素や水を供給してくれる大切な存在でもあります。しかし、今その森はどんどん破壊されています。現状を伝える1冊。(小学中学年から)

水のコレクション

内山りゅう/写真・文(フレーベル館 本体一六〇〇円)

一滴の水が川となり海へ流れ、雨となり地上に降り注ぐ…。水そのもの、身近にある水環境、そこにすむ生き物たちの姿などが満載の美しい写真絵本です。(小学中学年から)

外国から来た魚

日本の生きものをおびやかす魚たち
松沢陽士/著(フレーベル館 本体一六〇〇円)

人が持ち込んだ生物によって、もとからその場所にいた生物が数を減らしています。命と命のつながり、そのつながりを守ることの大切さを伝えます。(小学中学年から)

いつかどんぐりの木が

イヴ・バンティング/作・ロナルド・ハイムラ―/絵・はしもとひろみ/訳(岩崎書店 本体一三〇〇円)

突然枯れ始めた大きなどんぐりの木。なぜ? 幼い少女アリスの目を通して、土壌汚染という切実なテーマを静かに提起した絵本。(幼児から)