日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

“さがしています。こんな本”

月刊「こどもの本」2012年5月号より

沖縄の本 No.1

 娘の小学校卒業記念に念願の沖縄へ。のんびりと楽しい時間を過ごしてきましたが、それだけではない沖縄の歴史、現状についても娘に伝えたいと思いました。沖縄について書かれた本を紹介してください。(東京都・母親)

ホタルの国から

-沖縄・久米島のクメジマボタル-
さとうなおみ、さとうふみやす/写真・文(新日本出版社 本体1400円)

世界中で久米島にしかすんでいないクメジマボタルは、県の天然記念物ですが、絶滅が心配されています。ホタルを育む自然の大切さを訴えかけます。(小学中学年から)

サンゴしょうの海

本川達雄/文・松岡達英/絵(福音館書店 本体1300円)

サンゴ礁を中心とした、食う食われるの関係や、カニや魚とのたくみな共生など、美しいサンゴ 礁の海で繰り広げられる自然の姿を紹介します。(小学中学年から)

とべ!人工尾びれのイルカ「フジ」

世界初のプロジェクトに挑戦した人びと
真鍋和子/文(佼成出版社 本体1500円)

美ら海水族館のイルカ・フジは、病気で尾びれを失い、人工尾びれを装着することに。人々の優しさと最先端の技術が、沖縄の地で結集します。(小学中学年から)

エイサー!ハーリー

九州国立博物館/文・原案・山﨑克己/絵(フレーベル館 本体1000円)

九州国立博物館メインエントランスを飾る目玉的収蔵品「ハーリー船」を主人公に、「沖縄の祭り」と文化を描きます。(幼児からおとなまで)

みりょくとふしぎにせまる!沖縄の大研究

自然・文化・歴史から人々のくらしまで
屋嘉宗彦/監修(PHP研究所 本体2800円)

色とりどりのハイビスカス、魔よけのシーサー、伝統料理のちんすこう……。沖縄独自の自然、文化を、楽しい写真やイラストを交えて紹介!(小学高学年から)

てっぽうをもったキジムナー

たじまゆきひこ/作・絵(童心社 本体1500円)

沖縄のおおきな木にはキジムナーという妖怪が住んでいます。太平洋戦争末期、キジムナーに助けられた沖縄の少女、さっちゃんの物語。(幼児から)

頭のいい子を育てるおはなし366

1日1話3分で読める
主婦の友社/編(主婦の友社 本体2300円)

いつか出会いたい不思議な子ども「木の精キジムナー」のお話と、沖縄に伝わるとても切ない「南の島のクマ母さん」のお話を子守唄にどうぞ。(小学低学年)

沖縄まるごと大百科(全5巻)

宮城 勉・他/監修・渡辺一夫・他/文・写真(ポプラ社 本体各2800円)

「沖縄」をあらゆる面から徹底解明したシリーズです。自然、くらし、産業、ことばと文化、歴史の5巻を現地での取材による情報と写真で構成。(小学高学年から)

海を歩く 海人オジィとシンカの海

西野嘉憲/写真・文(ポプラ社 本体1300円)

沖縄県にある石垣島の徳勝オジィは、海人のみんなから尊敬されています。幸せそうな表情に隠された過酷な人生とは? 幸せを考える絵本。(小学高学年から)

魂(マブイ)

佐藤佳代/作・影山 徹/装画・挿画(金の星社 本体1200円)

私は沖縄本島の病院で生まれ、離島に移った。週末だけ帰ってくる母。夏と冬だけ会いに来る父。出会いと別れ、沖縄の空と海と島の人々。魂の成長物語。(小学高学年から)

シマが基地になった日

沖縄伊江島二度めの戦争
真鍋和子/著(金の星社 本体1200円)

太平洋戦争終結後、沖縄にもう一つの戦争があった。伊江島で起きた強制立ち退きの事実と、非暴力を揚げて戦いを続けた阿波根昌鴻さんの半生を描く。(小学高学年から)

ブーゲンビリアの咲く町で

山田もと/作・難波淳郎/画(金の星社 本体1300円)

昭和19年・夏、長い歴史を持つ美しい町首里が消えた。沖縄が焼土と化す前、力づよく生きぬこうとした少年を通して、戦争への怒りを描きます。(小学高学年から)

リュウキュウアユ、かえってきてね

真鍋和子/文・土田義晴/絵(教育画劇 本体1200円)

一度は絶滅した沖縄固有のアユの復活にとりくむ大人たちと、アユとともに成長する子どもたちを描きます。本当にあった話をもとにしています。(5歳から)

赤い髪のミウ

末吉暁子/著・平澤朋子/画(講談社 本体1400円)

不登校で久高島にある施設にやってきた小6の山川航が、赤い髪の女の子や島の人々との交流を通じて、一歩成長していくさまを描いた物語です。(小学高学年から)

野坂昭如戦争童話集 沖縄篇

ウミガメと少年

野坂昭如/著・黒田征太郎/絵(講談社 本体1800円)

けっして忘れてはならない、あの戦争の記憶。沖縄戦で家族を失った少年と、大海をわたるウミガメをとおして、くり返してはならない悲しみを描く。(小学中学年から)

野坂昭如戦争童話集 沖縄篇

石のラジオ

野坂昭如/著・黒田征太郎/絵(講談社 本体1800円)

昭和20年8月15日、洞穴の中で少年が死にました。お父さんが造ってくれた鉱石ラジオを大事に抱えながら……。沖縄戦の惨劇を今に伝える戦争童話。(小学中学年から)