日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

“さがしています。こんな本”

月刊「こどもの本」2008年9月号より

憲法について考える本

 「9条世界会議」に参加しました。会場には学生さんの姿も目立ち、関心を持つ若い世代が多いことに心強さを感じました。子どもたちは憲法についてどのように学んでいるのか、どんな子ども向けの憲法の本があるのか知りたくなりました。(東京都世田谷区・主婦)

子どもの権利条約で考える世界の子どもたち

─25人の物語─(全5巻)
セーブ・ザ・チルドレン/監修・今西 大/日本語訳(鈴木出版 本体各2200円)

日本が「子どもの権利条約」に批准して10年あまり。世界中のさまざまな子どもたちの生活の様子から、「権利」の重要性・必要性を考えてみよう。(小学高学年から)

子どもによる子どものための「子どもの権利条約」

小口尚子・福岡鮎美/文・アムネスティ・インターナショナル日本支部・谷川俊太郎/協力(小学館 本体1360円)

国連「子どもの権利条約」を14歳の女の子2人が自分たちの言葉でわかりやすく翻訳。第43回産経児童出版文化賞受賞。(小学中学年から)

ヒロシマのピアノ

指田和子/文・坪谷令子/絵(文研出版 本体1600円)

爆心地近くに住んでいたみさちゃんのピアノは壊れずに残ったが…。60年が過ぎ、再びその音色を響かせる被爆ピアノ。CD付き。(小学中学年から)

子どもが戦争をやめさせた

ジャン・ワール/作・亀山龍樹/訳・小坂しげる/絵(文研出版 本体1300円)

肉親を戦争にかりだされた子どもたちは、ウィーヤム少年とともに戦場へ出かける。自分たちの目で戦争を確かめ、やめさせるために…。(小学中学年から)

わたしたちのアジア・太平洋戦争3

新しい道を選ぶ
古田足日・米田佐代子・西山利佳/編(童心社 本体3300円)

被占領時代のこと。新憲法の意義と生活への浸透。敗戦後続けてきた反戦平和への努力と思想など、戦争を伝えようとするさまざまな試みを伝えます。(小学高学年から)

あの日の空の青を

まついのりこ/文・松井エイコ/絵(童心社 本体1200円)

戦時中に子ども時代を過ごした著者が、治安維持法の名の下に牢獄に捕らえられた学者の父親への想いを始め、平和のかけがえのなさを語る随筆集。(小学高学年から)

シリーズ憲法9条第2巻平和を求めた人びと

歴史教育者協議会/編(汐文社 本体2000円)

戦時中の日本やナチス支配下のドイツにも、戦争に反対した人たちがいました。平和の大切さを訴えた声をきき、憲法9条をさまざまな角度から考えてみましょう。(小学高学年から)

ビジュアル版

平和博物館・戦跡ガイド(1)広島平和記念資料館と戦跡めぐり

佐藤広基・本地桃子/イラスト・文(汐文社 本体2200円)

原爆の悲劇を今に伝える資料、今も広島のまちに残る傷跡を写真とイラストで紹介します。戦争のおそろしさを知り、戦争放棄を訴える憲法9条の意味を見直してみましょう。(小学高学年から)

絵本

はだしのゲン

中沢啓治/作・絵(汐文社 本体1400円)

1945年8月、広島。たった1発の原爆がゲンから家族をうばった…。それでも強く生きるゲン。平和の大切さと、憲法9条について考えるきっかけに最適の本です。(小学中学年から)

今、考えよう!日本国憲法

(全7巻)
戸波江二/監修(あかね書房 本体各3000円)

子どもにとって身近な問題から、憲法を考えていく本です。Q&Aや会話形式などにより、楽しく読み進めながら、憲法について学べます。(小学高学年から)

よくわかる「子どもの権利条約」事典

喜多明人/文・内田玉男/画(あかね書房 本体1165円)

生活の中から子どもの権利にかかわる事柄をまんがで紹介し、子どもの権利条約がどういうものなのか、わかりやすく解説します。(小学中学年から)

日本は、本当に平和憲法を捨てるのですか?

C・ダグラス・ラミス/著・まや・ラミス/訳・ヒロンベリー/絵(平凡社 本体1000円)

戦後60年余の間、我が国は国の名のもとに他国の人を殺害しないでいた。だが近年の、この名誉を捨て去ろうとしている状況を再考する書。(中学)

憲法は、政府に対する命令である。

ダグラス・ラミス/著(平凡社 本体1300円)

国民生活の規範と考えがちな憲法とは、元来政府や国会議員が従うべきルールである。憲法とは何か? その根源から問い直す書。(中学)

憲法本41

改憲・護憲をいうまえに学んでおくべきこと
長谷部恭男/編(平凡社 本体1900円)

「日本国憲法」の今日的問題。改憲・護憲論の前提となる憲法の本質を説く斬新の入門書。若手研究者による最適なガイドブック。(中学)

用語でわかる!

政治かんたん解説 上巻

福岡政行/監修・著・こどもくらぶ/編(フレーベル館 本体3800円)

国の大原則である憲法に基づき、さまざまな法律を作るのが政治の役目です。立法や行政の仕組みを通じて、憲法への理解を深める1冊です。(小学中学年〜中学)

用語でわかる!

政治かんたん解説 下巻

福岡政行/監修・著・こどもくらぶ/編(フレーベル館 本体3800円)

下巻では今日的な問題を解説します。憲法改正の動きや第9条の問題、靖国神社公式参拝などを通じて、憲法と政治の関係性について考えます。(小学中学年〜中学)

11の約束

えほん教育基本法
伊藤美好・池田香代子/著・沢田としき/絵(ほるぷ出版 本体800円)

教育の主人公は、ほかでもない私たちです。立ち止まって、教育について考えたいすべての大人と子どもにおくる、やさしい言葉の教育基本法の本。(小学低学年から)

シークレット・カメラ

ユダヤ人隔離居住区ルージ・ゲットーの記録
メンデル・グロスマン/写真・フランク・ダバ・スミス/文・落合恵子/訳(BL出版 本体1400円)

第2次大戦中、ポーランドのユダヤ人ゲットーを撮影した写真集。自らも収容されていたカメラマンの悲痛な訴えがつづられています。(小学高学年から)

国境を越えて戦禍を生きのびたユダヤ人家族の物語

ウィリアム・カプラン&シェリー・タナカ/文・シュラファン・テイラー/絵・千葉茂樹/訳(BL出版 本体1600円)

第2次大戦勃発寸前にヨーロッパを脱出し、カナダに逃げのびたユダヤ人家族の実話絵本。社会情勢の説明や写真も豊富で、歴史学習にも役立つ。(小学高学年から)

裁判所にて

ガブリエル・バンサン/作・尾埜善司/訳(BL出版 本体3000円)

ベルギー、ブリュッセルの裁判所。バンサンは法廷でのスケッチを20年間続けました。そこには生身の人間の真のドラマがあります。(小学高学年から)

ポプラディア情報館

日本国憲法

角替 晃/監修(ポプラ社 本体6800円)

日本がどうして戦争を放棄したのか。日本の歩んできた歴史とともに、成立の背景や憲法に込められた願いがわかります。日本人必読の1冊です。(小学高学年〜中学)

徹底大研究 日本の歴史人物シリーズ1

聖徳太子

渡辺一夫/文・南谷恵敬/監修(ポプラ社 本体2850円)

「和をもって貴しとなす」で知られる日本最古の憲法・十七条憲法の発布に大きな力を尽くした聖徳太子。その生涯を豊富な図版で紹介します。(小学高学年〜中学)

新版

ガラスのうさぎ

高木敏子/作・武部本一郎/画(金の星社 本体1100円)

戦争経験者すべての祈り平和への願いを込めた新憲法は、輝く「太陽の文面」と迎えられました。自らの体験を語り継ぐ著者の原点でもあります。(小学高学年から)

ビジュアルブック

語り伝えるヒロシマ・ナガサキ

(全5巻)

安斎育郎/文・監修(新日本出版社 本体各1800円)

日本に2度と戦争をしないと誓う憲法があるのは、どうしてでしょう? 日本が起こした戦争の結果起きた、世界唯一の原爆の悲劇を知るとよくわかります。(小学高学年から)

ビジュアルブック

語り伝える沖縄

(全5巻)

安斎育郎/文・監修(新日本出版社 本体各1800円)

日本最大の地上戦・沖縄戦をへて、原爆、終戦を迎えた日本。2度と戦争をしないと決めた憲法がつくられます。特に4巻で詳しく説明しています。(小学高学年から)

扉を開けて

日本児童文学者協会/編・三村久美子/絵(新日本出版社 本体1900円)

憲法がかわって、軍隊を持つようになった日本を描く「あたらしい憲法のはなし」ほか、戦争と平和について、子どもたちと考えたい短編6編を収録。(小学高学年から)

たのしくわかる日本国憲法

(1)憲法ってなに?

宮原哲朗/著・井上正治/絵(岩崎書店 本体2200円)

憲法のもつ意義や基本的な考え方を身近なことから展開し、楽しくわかりやすく説明したシリーズの1冊目。全7巻。(小学高学年から)