
そんなこんなでできました
「かみなりどんだって!?」うは! その語感、それをきいただけで、気分はウキウキするじゃありませんか。
この『かみなりどんがやってきた』は、なんといっても、ただ今あそびうた界(どんな界や?)で人気赤丸急上昇中のピスタチオ翼(わたしがつけたあだ名)こと鈴木翼くんと熊木たかひとさんが実際に保育の現場でうたっておどっていたものです。そして! それをあそびうた界のキング、中川ひろたかさんが絵本用に文をお書きになったというじゃありませんか。わたしはもう、それだけで血圧じゃなくて、ちょいテンションが上がりました。とにかくおもろ楽しく描くしかないでしょ。
特にキャラクター作りに力をいれました!(握り拳で力みつつ)かみなりどん(かみなりのお父さん)が、太鼓をたたいてかみなりを落とすシーンでは、こどもがちぢみあがるくらいおっそろしく。かみなりの奥さんは、アメリカのホームドラマにでてくるサマンサのようなグラマラスなお色気ムンムン(これ死語?)キャラ。こどものかみなりくんは、髪の毛くるくるのかわいい坊や。結局やりすぎて、いつものあおきさんとちが〜う、と、かみなりくん以外ボツになったんですけど。なんかの機会がありましたら、実はこんなえげつないキャラ描いてたっていうラフ画をこっそりお見せしたいです。
そんなこんなでできました、水色のポップな表紙の『かみなりどんがやってきた』。その表紙はかみなりどんではなくかみなりくんがやってきているところですけど、ここでもかみなりどんっていってんだから表紙はかみなりどんの絵がいいでしょ。とかいう意見もあったんですが、ほらそこは、かみなりくんのほうがかわいいし、『かみなりどんがやってきた』っていっても主人公はかみなりくんだよね、『天才バカボン』だって、主人公はバカボンじゃなくて、バカボンのパパなんだからいいんじゃね?とか、適当にへりくつを言ってかみなりくんで通したというわけです。そんなやりとりもまた楽しかった、私の新刊であります。
あおき ひろえ●既刊に『なんでやねん』(中川ひろたか/文)、『シバ犬のチャイ』(長谷川義史/絵)、『ハルコネコ』など。
世界文化社
『かみなりどんがやってきた』
中川ひろたか・文
鈴木 翼、熊木たかひと・原案
あおきひろえ・絵
本体1,000円