
子どもたちは、みんな天才
「手作りの楽しさ」を知ってもらえたらと、手芸、料理、工作とジャンルにこだわらずに、本を作ってきました。特に、子どもたちには、将来手作りをする楽しみを知っている大人になってほしいと願っています。
生活の中には、手作りできることがいっぱいです。毎日の料理からはじまって、趣味に至るまでたくさんあります。その一つ一つを楽しんでできること、楽しい時間が多いことが、大きな意味での幸せにつながると思います。手作りの楽しさを知った子どもたちが、将来大人になったときに、その楽しさが残っていたなら、生活が豊かになるのではないかと確信しています。
「工作のきほん」は、子どもたちに、工作が楽しくなるようなちょっとしたコツを提案しています。はさみで紙を切ってもらうと、はさみを動かしながら切る子が多いです。「紙を動かすときれいに切れるよ」と、声かけすると、それだけで、きれいにできるようになり、より工作が楽しくなります。そんな小さなコツをたくさん詰め込んで、工作が楽しくなる本を作りたい! 特に男子にも作ってもらえる本を! と作りました。
子どもの頃、母のお菓子本のプロセス写真が大好きで、自分が作っている気になって、頭の中でお菓子を焼いていました。そんな風に、「工作のきほん」は、「のりはどんなふうに使うんだろう」とか、「貯金箱はこうやって作るんだ〜」とプロセス写真を追いながら、見ているだけでも楽しくなるように構成しました。また、実際に作品を作ってもらえるように、ひとりででも簡単にできるものから、夏休みの宿題などでじっくり作れるものまで、いろいろ紹介しています。本を見るのはもちろん、作品にもチャレンジしてもらえればと思います。
子どもたちは、みんな天才です。どんなことで、何を発想するかはわかりません。そのきっかけを作ってあげることが、大人である私たちの責任だと思っています。この本から何を発想するのか…小さな作品に大きな願いを込めて…。
(てらにし・えりこ)●既刊に『おりがみ12か月』(全4巻)、『かんたん!たのしい手作り手紙』(全3巻)など。
汐文社
『コツがわかる!工作のきほん』(全4巻)
寺西恵里子・作
本体各2,300円