日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『地球を救う!植物ジャガイモ』 津幡道夫

(月刊「こどもの本」2013年4月号より)
津幡道夫さん

地球を救う植物・ジャガイモ

 この本は、小学校六年生の理科の教科書で取りあげられる「ジャガイモ」について、植物、作物、歴史など、さまざまな観点からまとめたものです。

「ジャガイモ」は北海道が主な産地です。私が幼少の頃、故郷の北海道では「イモ」と言えば「ジャガイモ」を指しているほど大切な作物でした。寒冷地である北海道では、雪解けを待って種イモを切り、植え付けをし、草をとり、土寄せをするなどの世話をし、子どもの膝丈まで茎が伸びて葉が広がると、いよいよ新ジャガイモの収穫でした。お米はもちろん、ムギさえも不足しがちな時期には、「ジャガイモ」は主食にもなりました。また、大切なおやつでもあったのです。そんな「ジャガイモ」への感謝の気持ちも込めて、食べ物としての大切さもまとめました。

 この本では、子どもの興味と好奇心を喚起し、好奇心を働かせ、さらに科学的な探求の力を養うことをねらいとしました。そのため、簡潔で子どもに問いかけるような表現をこころがけています。ジャガイモ博士の問いかけにしたがって、まずは、「ジャガイモ」の植物、作物としての面白さやパワフルさを感じとっていただきたいと思います。そして、「ジャガイモ」のふるさとをたずねて歴史をたどり、また、実験や料理にもチャレンジし体験もしていただけたら、読後「ジャガイモ」博士になっていること間違いなしでしょう。

「地球を救う! 植物」シリーズでは「ジャガイモ」のほか、日本人の主食であり、生活のさまざまな場面に数えきれないほどの影響を与えている「イネ・米」、姿を変えて大活躍する「コムギ」や「トウモロコシ」といった「世界四大作物」と言われる植物を取りあげています。地球規模の環境保全と食糧資源の確保が、私たちが生きていく上で大変重要な課題となっているなかで、未来を担う子どもたちに、このシリーズを通して、深刻になりすぎず、しかし的確に現状を伝えられればと思っております。学校やご家庭で、大人と子どもが一緒に本シリーズを囲み、楽しみながらお読みいただければ幸いです。

(つばた・みちお)●『地球を救う! 植物イネ・米』『地球を救う! 植物コムギ』『地球を救う! 植物トウモロコシ』の全4巻。

「地球を救う!植物ジャガイモ」
大日本図書
『地球を救う!植物ジャガイモ』
津幡道夫・著
本体3,000円