日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『だじゃれむかしむかし』 長谷川義史

(月刊「こどもの本」2023年1月号より)
長谷川義史さん

『だじゃれむかしむかし』ができるまで

 だじゃれ? 好きではないです。普段の会話でまず言いませんだじゃれ。

 なのにだじゃれの絵本など作ってしまいました。『だじゃれ日本一周』を。

 ある日編集者さんから依頼を受けたのです。何か面白い言葉遊び絵本をと。ならばと提案したのが『だじゃれ日本一周』でした。47都道府県名をだじゃれにした絵本。あほな絵本。売れないだろうけどまあいいかと描いた絵本。

 これがあなた売れたんですね。まさかと思いました。だじゃれが面白いから入って都道府県の勉強になると子どもたちが見て読んでくれたんですね。

 お年寄りも都道府県のだじゃれに親しんでいただいたんですね。

 これはシリーズで第二弾もと二匹目のドジョウを期待して。期待したのは僕ではないですよ出版元ですよ。出したのが『だじゃれ世界一周』です。

 この『だじゃれ世界一周』がまた面白い。例えば国名「タンザニア」のページがサッカーしてる絵でだじゃれが「なんでシュートうたんざにあ!」

 そして第三弾のだじゃれ絵本……ならば次は何のだじゃれがええかなあと考えてこれだと思ったのが「昔話」でした。

 例えば「桃太郎」でなんかだじゃれはないかいなあと散歩の途中に我が足元を見て、ももたろう、ももたろう、うーん「ひざの上がももだろう」よし!と膝を打って腿をなぜました。この調子で行こう。

 ということで今度は昔話のタイトルでだじゃれです。「うらしまたろう」に「かぐやひめ」「かちかちやま」に「しらゆきひめ」、日本はもちろん世界まで、47昔話のタイトルのだじゃれの競演。

 よく知ってる昔話でふふふ。よく知らない昔話によく知らないけどへへへ。子どもたちから大人まで笑ってためになる、なれへんか。

「いなばのしろうさぎ」が「イナバウアーのしろうさぎ」。わからん人はわからんでよろしい。『だじゃれむかしむかし』で笑ってね。

(はせがわ・よしふみ)●既刊に『おへそのあな』『ぼくがラーメンたべてるとき』『おおにしせんせい』など。

『だじゃれむかしむかし』"
理論社
『だじゃれむかしむかし』
長谷川義史・作
定価1,540円(税込)