
子どもたちがくぎづけ、大爆笑えほん!
平田昌広 作/平田 景 絵
2013年4月刊行開始
なかなか面白くてこれからの活躍が楽しみな絵本作家さんがいるのだが、今度「ことばあそび」の絵本をお願いしようと思うのだけど、どうだろう? と当時の社長から聞かれたのが、今から十年くらい前のはなし。平田昌広さんと景さんのご夫婦は、全国の学校や書店などで「メオトよみ絵本ライブ」を行い、その軽快なトークで子どもたちを魅了し、人気を博していました。
さっそく出版したのが、「ことばあそびえほん」の第一作目となる『ぱんつくったよ。』でした。この本は、「ぱん、つくったよ。」と「ぱんつ、くったよ。」というように、区切る場所で意味のかわる定番の「ことばあそび」なのですが、まるで読みきかせライブのシナリオそのままのような絵本で、ページをめくると違う意味になる予想外のことばと、絵が出てくる楽しい絵本です。
その年の「上野の森親子ブックフェスタ」で絵本ライブが行われました。子どもたちは、どうかわるのだろうと、目をかがやかせ、きっとこうだよと、口々にいいながら絵本にくぎづけになり、いざページをめくると、大爆笑! 作家と子どもたちが、一体となった会場は、大盛況!
その後、この国土社の「ことばあそびえほん」シリーズは、
第二作目『てんぐ、はなをかむ。』(同音語によることばの変化)
第三作目『しろがくろのパンダです。』(助詞を一字かえると変化することば)
第四作目『いすにすわってたべなさい。』(一字たすと意味のかわることば)
第五作目『すごいたいじゅうでうごきません。』(文字のならべかえ、アナグラム)
と、次々に新刊を出していきました。新刊を編集する際の取り組みとして、平田さんから提案された具体的なネタとラフに対して、全社員の投票で掲載の採用や見送りを決めていきます。これにより社員にとっても、みんなでつくった思い入れのある本となるのです。
このようにして、地道にコツコツと新刊を重ねていくうちに、学校現場や子どもたちにも、じわじわと浸透し、図書館や書店で平田さんの「ことばあそびえほん」として定着していきました。そして今では平田さんご夫婦も、大作家さんとして多くの本を出版され、ご活躍なさっています。
昨年、国土社では初心に帰るべく、第六作目になる『ぱんつくったよ。2』を刊行しました。さらに、来年春には、新たな「ことばあそび」のネタで、第七作目を刊行する予定です。ぜひ楽しみにしていてください。