
ゆめをかなえるとは?
「生きる力が身につく本」と題された3部作は、1冊目が『ともだちのつくりかた』、2冊目が『すきなことのみつけかた』、そして3冊目がこの『ゆめのかなえかた』です。
思い起こせば『ともだちのつくりかた』は、中学生の男の子が友達に殺されるというショッキングなニュースを見て、ともだちとは何か? 「本当のともだち」と出会えていたならこんな不幸な事件はなくなるはずだ。それならともだちをつくるための絵本を書かなければ、と思ったのが始まりです。
僕は講演会にも呼んでいただくのですが、そこで一番多いのが「子どものころから絵を描くことがすきでしたか?」という質問です。僕は本当に小さいころから絵を描くことがすきでした。そして今、絵本作家になれている。
そういう夢をかなえるということをテーマに、次は「ゆめのかなえかた」というタイトルで書き始めたのですが、夢を見つけるためにも、まず、「なぜ勉強をしなければいけないのか?」ということを子ども達に伝える必要があると感じ(実は僕も子どものころ勉強が大嫌いでした。)2冊目に『すきなことのみつけかた』を書きました。
すきなことを見つけて夢をかなえるといっても、僕は幼稚園の時に友達に怪獣の絵を描いてもらい僕よりずっと上手に描く子がいることを知り、すごくショックで、ある意味挫折という最悪のスタートを切ったことになります。ではなぜ、絵本作家になれたのか? それは、「すきなことだからやめなかった」ただそれだけのことなのです。すきを貫き通すことが、夢をかなえる一番強い力になるのではないでしょうか?
この3冊で、僕が教育実習に行って感じたこと、将来絵本作家になって子ども達に伝えたいことを本にしたいと決めた21歳の時の気持ちをやっと形にできました。
でも僕にはまだまだ伝えたいことがあります。「人の立場や気持ちを思いやる」「自己肯定感とは?」子ども達が幸せを感じて生きていける、そんな助けになる本を作っていきたいと思います。
(たかい・よしかず)●既刊に『ともだちのつくりかた』『すきなことのみつけかた』『キャラクターデザインの仕事』など。
大日本図書
『ゆめのかなえかた』
たかいよしかず・さく・え
本体1,400円