
肉を食らって肉を描く
わたしたちは、夫婦で絵を描いています。食べることが大好きなので、今まで描いた絵本にはぜーんぶおいしいものが出てきます。
今回は「お肉」が主役です。お肉を食べると、とっても元気が出る気がしませんか? 力のある頼れる食材だと感じています。元気が無いなぁというときに、よしっお肉を食べよう! となります。
国を治めている立派な王様は、毎日たくさんがんばってらっしゃるでしょうから、元気を出すためにきっとお肉をいっぱい食べていて、お肉のおいしさの虜になっているんだろなぁ……。絵本『にくのくに』には、お肉が大好きな王様が、いっぱい出てきます。お肉には、いろんな種類や食べ方があるように、王様もいろんな人がいるのです。
どんな、王様がいらっしゃるのかは、ぜひ絵本を読んでみてほしいですが、少し紹介させていただきますね。わたしたちの一番好きな王様は、「トンカツ王」です。トンカツのようにどしっと構えていて、ボリュームがあって、がんこで強面な見た目をしております。でも、実は繊細でふわっと優しい性格だったりするんだろうなぁと、トンカツを食べながら想像を膨らませて生まれてきたキャラクターです。
おいしいものを描くとき、わたしたちは大抵取材をします。お店に食べに行ったり、お家で作ったり、自分たちの頭にすっと浮かんでくるイメージに近いものを、探し出そうとします。そして、食べたり、見たり、作ったりして、その食べ物とじっくり向き合ううち、その食べ物のあたらしい一面に出会えたり、やっぱりおいしいよねっと再確認できたりするのです。この作業をちゃんとしていると、絵本を作るのがスムーズになります。と、かっこつけて言ってみましたが、本当は「食べたい!」という自然な気持ちで行動しているだけかもしれません。
どうぞ、はらぺこで絵本を読んでみてください。おいしくめしあがれ!
(はらぺこめがね)●近刊に『みんなのおすし』『じゃがいもひめとさつまいもひめ』『あな あな はてな』など。
教育画劇
『にくのくに』
はらぺこめがね・作
本体1,300円