
チーター
数年前に、川のなかが舞台の『どうじょどうじょ』や、海のなかが舞台の『ぴとっ!』という絵本を作りましたが、本作では陸に出て、広大なサバンナが舞台の絵本を作りました。
足の速くない自分にとって、大地をさっそうと駆け抜けるチーターは、かっこう良くてたまりません。
この絵本は、そんなチーターが主人公のお話です。わき目も振らず、ものすごい勢いでただひたすら走り抜けていきます。チーターが突き進むようすをたっぷりと描きました。かっこう良さを存分に味わっていただけたらうれしいです。
獲物をねらっているのかと思いきや、チーターはガゼルを飛び越し、ヌーの群れをけ散らし、水飲み場を通り過ぎて行きます。…あれれ? チーターはなぜそんなに走っていたのでしょうか?いったいどこへ向かっていたのでしょうか?
残念ながら、わたしは広い広い大地を疾走するチーターを、実際に見たことがありません。いつの日か、セレンゲティだかンゴロンゴロだかに行って、その美しい姿に出会ってみたいと思っています。
足が速いチーターですが、最高時速はなんと110km近くに達するといわれています。でも、そのスピードを保ち続けられるのは数十秒なのだそうです。ということは、このお話は、ほんの数十秒のでき事ということになります。
そんな感覚で、チーターのようにささっとご覧ください。そして、天気が良ければ、広い野原なんかに出かけていただき、チーターになった気持ちで元気いっぱい駆け回っていただければと思います。
タタタタタタタタタタタタ
タタタタタタタタタタタタタ
タタタタタタタタタタタタタ
(りとうようい)●既刊に『べんべけざばばん』『どうじょどうじょ』など。
鈴木出版
『タタタタ』
りとうようい・作・絵
本体1,300円