童謡の本

 ある児童文学者の講演を聞きました。1926年生まれのその方は、終戦の日に「これで死ななくていいんだ」と思ったそうです。今、争いが続いているすべての国の人たちが、1日も早くそう思えるために私たちは何をすべきなのでしょう。戦争と平和について考える本を教えてください。(東京都・学生)

なぜ、おきたのか?
―ホロコーストのはなし
クライヴ・A・ロートン/作・大塚信/監修・訳・石岡史子/訳(岩崎書店 本体1800円)
ナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)。なぜ、この悲劇がおきたのかを写真や資料で説明した類書のない本。☆推薦=黒柳徹子。(小学高学年から)
トットちゃんとアフガニスタンの子どもたち
田沼武能/写真・文(岩崎書店 本体1800円)
ユニセフ親善大使、トットちゃんこと黒柳徹子さんと、貧困、戦火の中を生きる子どもたちの姿を伝える。世界的写真家の写真集。(小学高学年から)
ぼくは弟とあるいた
小林豊/作・絵(岩崎書店 本体1400円)
戦火を逃れて祖父の町へ行くために乗った兄弟のバスが砂漠の中で故障した。同時代に生きる中近東の子どもたちを身近に感じさせる絵本。(小学低学年から)
あたらしい戦争ってなんだろう?
山中恒・山中典子/共著(理論社 本体920円)
テロとの闘いをめざすアメリカの「戦争」。しかしイラク攻撃は世界中の多くの反対を押し切って始まった。イラク戦争をわかりやすく本質から解き明かす。(小学高学年から)
ベルリン1933
クラウス・コルドン/作・酒寄進一/訳(理論社 本体2400円)
ナチス台頭の時代のベルリン。時代の流れの中、様々な運命をたどる家族や友人たちの姿を、15歳の少年ハンスの視点でつづる大河歴史小説。(中学生から)
8月がくるたびに
おおえひで/作・篠原勝之/絵(理論社 本体1200円)
1945年8月9日、忘れられないあの日。米軍のB29が長崎に原爆をおとした。うめきながら死んでいった友の声が8月になるときまってよみがえる…。(小学中学年から)
あの戦争の中にぼくもいた
石浜みかる/作・垂石真子/絵(国土社 本体1600円)
クリスチャンの父は、街頭布教のため特高につかまり、刑務所に行き…。「非国民」とまわりにも差別された子どもたちの心とその時代を描く感動の物語。(小学高学年から)
そして、トンキーもしんだ
たなべまもる/文・かじあゆた/絵・小森厚/解説(国土社 本体1300円)
太平洋戦争中、上野動物園ではゾウや猛獣たちが処分されることになった。NHKテレビでも報道された当時の実話を絵本にした親子でよんでほしい1冊。(幼児から)
月夜野に
森下真理/作・広野多珂子/絵(国土社 本体1200円)
文化祭で発表するため、東京大空襲や戦地での悲劇を調べていた哲夫は、家族に残された手紙から学徒兵だったおじさんの死の秘密を知ることになった!!(小学高学年から)
ひろしまのピカ
丸木俊/文・絵・丸木位里/協力(小峰書店 本体1500円)
1945年8月6日、広島の空を閃光がつらぬきました。それは原子爆弾の光でした。「2度とくりかえしてはならぬ」という願いをこめた丸木画伯渾身の作。(小学低学年から)
ひでちゃんとよばないで
おぼまこと/文・絵(小峰書店 本体1400円)
戦争のさなか、すすむくんは、台湾のちいさな町に住んでいました。お友だちは、ひでちゃんという台湾の女の子でした。戦争が終わると、悲しい別れが…。(小学低学年から)
波照間(はてるま)からの旅立ち
赤座憲久/作・依光隆/絵(小峰書店 本体1500円)
順也は、兄にさそわれ、はじめて1人旅をし、沖縄へ。そこで波照間島でおきた戦争の悲劇を聞く。順也は、平和へむけて戦争のことを深く考えはじめる。(小学高学年から)
木かげの家の小人たち
いぬいとみこ/作・吉井忠/絵(福音館書店 本体1600円)
第2次大戦のさなか、外国生まれの小人たちを愛し続ける少女ゆり……。いまわしい現実と不安な日々が感動的に描かれています。(小学中学年から)
空白の日記
ケーテ・レヒアイス/著・松沢あさか/訳・一志敦子/画(福音館書店 本体1700円)
豊かな自然に恵まれたオーストリアの村をおおいはじめたナチズムの暗雲。忘れ去ろうとした記憶の断片を、つなぎあわせて蘇らせた少女の自伝的作品。(小学高学年から)
友よねむれ
久永強/絵・文(福音館書店 本体3200円)
極寒のシベリアで強制労働に従事した4年間の体験と、異国の地に葬った友への痛切な思いが、半世紀を経て画家の胸に甦った。(小学高学年から)
なぜ あらそうの?
ニコライ・ポポフ/作(BL出版 本体1300円)
カエルが手にした花を奪ったネズミ。ケンカは次第にエスカレートして…。なぜ争いはやまないのか、最後に何が残されているのかを教えてくれる文字なし絵本。(幼児から)
シークレット・カメラ
メンデル・グロスマン/写真・フランク・ダバ・スミス/文・落合恵子/訳(BL出版 本体1400円)
第2次世界大戦中のユダヤ人隔離居住区で密かに撮られた写真の数々。残酷な歴史の真実とともに、心の自由を失っていない人間の美しさを写し出している。(小学高学年から)
さとうきび畑の唄
遊川和彦/作(汐文社 本体1300円)
昭和16年、沖縄。写真館を営む平山1家は幸せに暮らしていた。しかし、戦争の激化につれて家族はバラバラに…。文化庁芸術祭大賞のドラマをノベライズ。(小学高学年から)
今 イラクで起きていること
平田伊都子/著・川名生十/写真(汐文社 本体1800円)
アメリカ・イギリスは、なぜイラクに侵攻したのか? 国連は何をしていたのか? ジャーナリストの現地取材にもとづき、豊富な写真資料で解説。(小学高学年から)
絵本
はだしのゲン
中澤啓治/作・絵(汐文社 本体1400円)
原爆をテーマに、勇気と感動を与え続けているロングセラーマンガ『はだしのゲン』の、親子で読める絵本版。(小学低学年から)
私たちはいま、イラクにいます。
シャーロット・アルデブロン/著(講談社 本体1200円)
戦争で犠牲になるのは、自分と同じくらいの子どもたち。13歳の少女が語ったイラク戦争の非戦メッセージは、アメリカの平和集会で大反響を巻き起こした。(小学高学年から)
野坂昭如戦争童話集沖縄編
ウミガメと少年
野坂昭如/作(講談社 本体1800円)
あの年の6月23日から8月15日までの時間が、あの年の沖縄(ウチナー)と本土ヤマトとの距離。人を幸せにする戦争などないと訴える『戦争童話集』の13作めにあたる絵本。(小学高学年から)
白旗の少女
比嘉富子/作(講談社 本体1300円)
太平洋戦争末期の沖縄で、7歳の少女が1ヵ月以上も戦場をさまよい、偶然めぐりあった老夫婦の献身で、ひとり白旗を持って米軍に投降するまでの記録。(小学高学年から)
ちいちゃんのかげおくり
あまんきみこ/作・上野紀子/絵(あかね書房 本体1165円)
夏の夜の空襲で、家族とはなれ、ひとりぼっちで街をさまようちいちゃん。悲惨な戦争の中で幼い命を閉じた女の子の姿を、静に描いた感動の絵本です。(小学低学年から)
いま、考えよう!日本国憲法5
戦争はなくせないの?
清野幾久子/編著(あかね書房 本体3000円)
「よその国が戦争をしかけてきたら、日本はどうするの?」など戦争と平和についての疑問をQ&Aや会話形式などでやさしく読みながら考えられる本です。(小学高学年から)
子どものころ戦争があった
―児童文学作家と画家が語る戦争体験
長新太・佐藤さとる・寺村輝夫・他/作・あかね書房/編(あかね書房 本体1359円)
長新太・佐藤さとる・上野瞭・寺村輝夫・梶山俊夫・山下明生他21氏の児童文学に関わる作家と画家たちが語る貴重な生の戦争体験リポートです。(小学高学年から)
せんそう
エリック・バトゥー/作・石津ちひろ/訳(ほるぷ出版 本体1400円)
あるところに、赤いお城と青いお城が並んで建っていました。そこでは、みんな仲良く平和に暮らしていました。ところがある日、ささいな事がきっかけで…。(5歳から)
すべての子どもたちのために
―子どもの権利条約
キャロライン・キャッスル/文・池田香代子/訳(ほるぷ出版 本体1300円)
条約の中の最も大切な権利を選んで、難解な条文をシンプルに表現し、有名な絵本作家が絵を描いた、わかりやすく読みやすい子どもの権利条約の絵本。(5歳から)
愛蔵版
シリーズ戦争
(全5巻)
あおきてつお・他/マンガ(草土文化 揃本体10292円)
すでに歴史になっている「太平洋戦争」の実相をとらえ、人の生きざまを描くマンガ。侵略された人びとを含め、戦争の本質に迫る。天声人語で絶賛!(小学高学年から)
難民と地雷
(全3巻)
小林正典/写真・文(草土文化 本体1300円)
今、報道されているテロや戦争。そのかげにある「難民」「地雷」とは…。(1)難民が生まれるのはなぜ?(2)地雷がうばうものはなに?(3)できることからはじめよう(小学高学年から)
くちなしの花 8月
―ヒロシマヤケノハラニナル
児玉辰春/文・長澤靖/絵(文溪堂 本体1500円)
広島に原爆が落とされる前、捕虜となったアメリカ兵から、その予告ともとれる言葉を聞いてしまった少女がいた。平和の大切さを訴えるノンフィクション。(小学高学年から)
おれはなにわのライオンや
さねとうあきら/作・長谷川知子/絵(文溪堂 本体1500円)
戦争中、大阪の動物園に、腹ぺこだけど「おれはなにわのライオンや」と元気なライオンがいました…。なにわのライオンの愉快だけれど悲しい物語。(幼児から)
えっちゃんのせんそう
岸川悦子/作・狩野ふきこ/絵(文溪堂 本体1500円)
中国のハルピンで終戦を迎えたえっちゃん。明るく懸命に生きていますが、1人の大切な友だちの死を目の当たりにして、本当の「戦争を」知ったのです。(小学中学年から)
悲しすぎる夏
和田登/著・和田春奈/絵 (文溪堂 本体1600円)
戦争前夜の軽井沢。小学5年生の誠とユダヤ系の少年ハンスは、豊かな自然の中で友情をはぐくんでいた。しかし、誠の罪のないひと言でハンスはドイツに…。(小学高学年から)
炎の中からぼくを呼ぶ
中野幸隆/作・宮本忠夫/絵(文研出版 本体1300円)
終戦後2年目の冬、食糧はとぼしく人々はうえていた。空襲で焼け野原と化した東京の街の一角で、親の目を盗んで、犬の親子を飼い続ける少年たちの物語。(小学中学年から)
死の海をゆく
―第5福竜丸物語
長谷川潮/作・南江津子/絵(文研出版 本体1300円)
1954年3月1日、ビキニ島付近でマグロ延縄漁の操業中、アメリカの核実験による“死の灰”を浴びて被災した船と乗組員の正確な記録の書である。(小学中学年から)
十六地蔵物語
―戦争で犠牲になった子どもたち
原田一美/作・福田庄助/絵(文研出版 本体1300円)
大阪から徳島県に集団学童疎開をした子どもたちのうち、3年生16名が疎開先の寺の焼失と共に命を失った。戦争の犠牲になった子どもたちをリアルに描く。(小学中学年から)
おにいちゃん、死んじゃった
―イラクの子どもたちとせんそう
谷川俊太郎/詩・イラクの子どもたち/絵・日本国際ボランティアセンター/協力(教育画劇 本体1000円)
イラク戦争後を生きる子どもたちが自分たちの思いを絵で表現しました。これに日本を代表する詩人、谷川俊太郎が詩を添えた絵本です。(幼児から)
はてな?なぜかしら?国際問題
(全3巻)
池上彰/監修(教育画劇 揃本体9900円)
イラク戦争や北朝鮮問題、自衛隊派遣問題などわかりにくい国際問題を図解式でわかりやすく紹介していくシリーズです。(小学中学年から)
アレクセイと泉のはなし
本橋成一/作(アリス館 本体1300円)
アレクセイ青年のいる村は、チェルノブイリ原子力発電所の爆発で被爆した。が、村の泉は新しい水を出しつづける。命のつながりを描いた写真絵本。(小学中学年から)
ペドロの作文
アントニオ・スカルメタ/文・アルフォンソ・ルアーノ/絵・宇野和美/訳(アリス館 本体1300円)
軍国主義が進む中、ペドロの学校にも軍人がきて、両親が夜、何をしているか作文に書かされる。軍事独裁の恐しさがひしひしと伝わってくる絵本。(小学中学年から)
ぼくのミラクルねこ ネグロ
オスバルド・ソリアーノ/作・ファビアン・ネグリン/絵・宇野和美/訳(アリス館 本体1000円)
アルゼンチンからフランスに亡命してきた少年は超能力の黒猫に出会う。不思議な体験を重ねながら、少年は次第に祖国への思いを深めていく。(小学中学年から)
彼の手は語りつぐ
パトリシア・ポラッコ/作・千葉茂樹/訳(あすなろ書房 本体1600円)
文字を読める黒人ピンクス。文字が読めない白人シェルダン。南北戦争を舞台にそんな2人の少年の出会いと友情、別れを描いた実話。(小学中学年から)
風が吹くとき
レイモンド・ブリッグズ/作・さくまゆみこ/訳(あすなろ書房 本体1600円)
核戦争をテーマにしたこの絵本は'82年にイギリスで出版されて大きな反響を呼びました。親子で核の問題、戦争の問題を考えるための好著。(小学中学年から)
おまもり ホロコーストを生きぬいたある家族の物語
リラ・パール・他/著・野坂悦子/訳(あすなろ書房 本体1300円)
ナチに支配された世界しか知らなかった女の子が夢見ていたのは、ただ生きること。何ものにも屈することのない魂の美しさを描いた感動作。(中学から)
約束の国への長い旅
篠輝久/作(リブリオ出版 本体1200円)
第2次世界大戦の嵐に揺れるリトアニアで、ユダヤ人6000人を救った日本領事-杉原千畝。政府の命令に反してまでも、ビザを発行した彼の思いとは……。(小学高学年から)
はなはなみんみ物語
わたりむつこ/作(リブリオ出版 本体1500円)
はなはなとみんみは小人の双子の兄妹です。かつては、たくさんいた仲間も、過去に起こった〈小人大戦争〉によって5人になってしまいました。小人家族の物語。(小学高学年から)
アンナの赤いオーバー
H・ジィーフェルト/文・A・ローベル/絵・松川真弓/訳(評論社 本体1300円)
戦争が終ったとき、お店には何もなかった。アンナにオーバーを買ってあげたかったお母さんは…。世界でたった1つのオーバーのお話。(小学低学年から)
“機関銃要塞”の少年たち
ロバート・ウェストール/作・越智道雄/訳(評論社 本体1800円)
第2次大戦下のイギリス。機関銃を見つけた少年たちが、自分たちだけの“要塞”を作る-。戦争の無意味さを浮き彫りにする痛快な物語。(小学高学年から)
ふうちゃんのハーモニカ
西野綾子/作・ふりやかよこ/絵(ひくまの出版 本体1200円)
戦争中、空襲で友だちのふうちゃんを亡くした私は、つらいとき、苦しいとき、ふうちゃんの形見のハーモニカをふくと、いつも心が明るくなるのです。(小学高学年から)
小さな赤いてぶくろ
西野綾子/作・渡辺俊明/絵(ひくまの出版 本体1600円)
広島に引っ越していったなっちゃんは、原爆で焼かれて影になりました。影になったなっちゃんの、平和への願いの歌が空いっぱいにひびきます。(小学中学年から)
ヒロシマのいのちの歌助
鈴木ゆき江/作・末崎茂樹/絵(ひくまの出版 本体1400円)
広島の原爆で母と弟を失ったあやのは、深い心の傷を孫の千里の優しさと、被爆エノキで作った木の笛・コカリナの音色に癒され、語り部として歩き出す。(小学中学年から)
それでも私は戦争に反対します。
(社)日本ペンクラブ/編(平凡社 本体1600円)
第2次大戦後、日本人が、人を殺す、殺されるという事柄に接することなく時間を経た。今日の現状を文学者達が、その意味を真摯に問い直す内容。(中学から)
日本は、本当に平和憲法を捨てるのですか?
C・ダグラス・ラミス・他/著・ヒロンベリー/絵・まやラミス/訳(平凡社 本体1000円)
大戦後の60年近く、日本は国の名の下に他国人を誰一人殺していません。今日、この名誉を葬り去る可能性が表出しています。今1度深く考えるための本。(中学から)
20世紀の歴史第13〜16巻
第1次世界大戦・第2次世界大戦
J・M・ウインター・他/著・猪口邦子・他/監修(平凡社 本体各2718円)
2度の世界大戦を経て、資本主義世界システムの確立と生命・科学の進歩、大衆社会の成立を見た20世紀。グローバルな視点で戦争の世紀を糾す。(中学から)
マザー・テレサ
沖 守弘/監修・間所ひさこ/文・たかはしきよし/絵(フレーベル館 本体1000円)
命の大切さを誰よりも知っていたマザー・テレサ。ノーベル平和賞を受賞した多くの活動のうち、孤児たちを養育する姿を描いた1冊。(5歳から)
森のなかの魚
前川康男/作・遠藤原三/絵(フレーベル館 本体1262円)
戦争中、バクダンによって吹き飛ばされた大十郎は、空中で銀色の魚を見た。生と死の間で、子どもの頃の楽しい記憶がよみがえる。(小学高学年から)
わたしたちのアジア・太平洋戦争
(全3巻)
古田足日・米田佐代子・西山利佳/編(童心社 本体各3300円)
子どもたちを初めとする読者が、この本を通して戦争のことを知り、感じ、考え、平和の思想を自ら作り上げるための素材、きっかけ、助けになる戦争体験集。(小学高学年から)
ななしのごんべさん
田島征彦・吉村敬子/作(童心社 本体1500円)
太平洋戦争のさなか、脳性まひの少女もも子に心をよせる双子の兄弟たちの生活にも戦争の影が。ある夜、空襲警報が…。大阪堺の空襲をもとに描いた話題作。(小学低学年から)
はらっぱ
西村繁男/画・神戸光男/構成・文(童心社 本体1500円)
ある町の60年間のうつりかわりを描いた絵本。戦中、戦後、そして今…。過ぎた時代をふりかえり、現在と未来について、子どもたちと1緒に考えてみてください。(小学低学年から)
マザー・テレサ
沖 守弘/監修・間所ひさこ/文・たかはしきよし/絵(フレーベル館 本体1000円)
命の大切さを誰よりも知っていたマザー・テレサ。ノーベル平和賞を受賞した多くの活動のうち、孤児たちを養育する姿を描いた1冊。(5歳から)
平和のたからもの
大きく育て、被爆くすの木の子どもたち!
寺田志桜里/文・絵(くもん出版 本体1300円)
少女のもとに長崎市にある山王神社のくすの木の苗木がやってきます。中学生の少女がつづる、「被爆くすの木の2世」をめぐる感動の記録。(小学中学年から)
7本の焼けイチョウ
日野多香子/ぶん・さいとうりな/え・唐沢孝一/解説(くもん出版 本体1200円)
戦争で死んだのは人間や動物たちだけではありませんでした。戦争の悲惨さや平和の大切さをイチョウの木をとおして描く、ノンフィクション絵本。(幼児から)
ハロー・ディア・エネミー!
〜こんにちは敵さん さよなら戦争〜
グードルン・パウゼバンク/文・インゲ・シュタイネケ/え・桑田冨三子/訳(くもん出版 本体1300円)
青いへいたいさんと赤いへいたいさんはほんとうに敵同士ですか?けんかも戦争もなくしてしまう、すてきなまほうの〈あいさつ〉おしえてあげる!(幼児から)
かわいそうなぞう
つちやゆきお/ぶん・たけべもといちろう/え(金の星社 本体900円)
戦争中に上野動物園で本当にあったお話。毎年終戦記念日に評論家の秋山ちえ子氏が平和への願いをこめてラジオで朗読し、テレビでも紹介された名作。(幼児から)
新版
ガラスのうさぎ
高木敏子/作・武部本一郎/画(金の星社 本体1100円)
東京大空襲で母と妹を失い、さらに銃撃によって目の前の父を亡くした12歳の敏子。戦争の悲惨さと平和の尊さを、次世代に訴える感動のロングセラー。(小学高学年から)
お星さまのレール
小林千登勢/作・小林与志/画(金の星社 本体1100円)
弟を背に、星をたよりに命がけで越えた38度線…。少女の時の引き揚げ体験を、平和への祈りをこめ、故小林千登勢さんが綴った感動のノンフィクション。(小学高学年から)
まちんと
松谷みよ子/文・司 修/絵(偕成社 本体1200円)
原爆に傷ついた女の子は、トマトを口に入れてもらうと「まちんと、まちんと」と後をねだり、死んでいった。平和の重さ、命の尊さを語りつぐ絵本。(小学低学年から)
おとなになれなかった弟たちに……
米倉斉加年/作(偕成社 本体1000円)
太平洋戦争中、少年は小さな弟のミルクを何回もぬすみ飲みし、弟は栄養失調で死んでしまう。たくさんの人たちを苦しめた戦争を子どもの目で描いた絵本。(小学中学年から)
テレジンの小さな画家たち
野村路子/著(偕成社 本体1500円)
第2次世界大戦中、テレジン収容所でユダヤ人の子どもたちがひそかにかいた4千枚の絵。思い出や願いをかいた絵を残し、殺された子どもたちの記録。(小学低学年から)
おとなはなぜ戦争するの
子どもの声を聞く児童文学者の会/編(新日本出版社 本体1600円)
イラク戦争に際し、世界中でわきおこった戦争反対の声。日本の各地でも子どもたちが戦争反対を訴えた。平和を願う子どもたちの声と行動を紹介する。(小学高学年から)
むらさき花だいこん
大門高子/作・松永禎郎/画(新日本出版社 本体1500円)
あなたは、春の光の中に咲くむらさきの花を見たことがありますか? 野の花にこめられた戦争の悲しみと平和への決意を描く絵本です。(小学高学年から)
ことりになったエノキ
白木惠委子/作・ふりやかよこ/画(新日本出版社 本体1200円)
広島の原爆でふかい傷をおいながらも、エノキはせいいっぱい生きぬきました。枯れてしまったエノキが小さなコカリナに生まれかわるまで。(小学低学年から)
6号病室のなかまたち
ダニエラ・カルミ/作・樋口範子/訳(さ・え・ら書房 本体1300円)
イスラエルの病院に入院したアラブの少年が、同室の子供達と民族・生活環境の違いをこえて心を交わしあうまで。過酷な現実を描きながら読後感さわやか。(小学高学年から)
心の国境をこえて
ガリラ・ロンフェデル・アミット/作・母袋夏生/訳(さ・え・ら書房 本体1500円)
私はアラブ人。でも、父さんがユダヤ人の寄宿学校への進学をすすめてくれた。医者になって、地域医療につくすために……。異なる民族の間で揺れ動く少女。(小学高学年から)
泥かべの町─アフガンを生きぬく少女
デボラ・エリス/作・もりうちすみこ/訳(さ・え・ら書房 本体1300円)
今もなお混乱の続くアフガニスタン。難民としての境遇に甘んじることなく、みずからの行動で境遇を変えていこうともがく少女ショーツイアを描く。(小学高学年から)
ま・い・ご
岸川悦子/文・狩野ふきこ/絵(農文協 本体1238円)
昭和20年8月15日、学校が消えてしまいました。中国から日本に帰る旅に出た小学2年のみえちゃん。家族とはぐれ中国人のおじいちゃんに助けられるのですが…。(小学低学年から)
息子よ、アメリカは父さんの敵だった
大橋祥宏/著(農文協 本体1476円円)
アメリカに留学中の息子をもつ私は、50年前、生粋の軍国少年だった。軍港横須賀から丹沢の麓の村への疎開。そこで待っていたのは飢えとの戦争。(小学中学年から)
泣いた木曽馬
加藤輝治/文・星野京/絵(農文協 本体1200円)
徴発された木曽馬を追うように出征した太1が中国戦線で出会ったものは……。風土と人々と馬とが1体となった暮らしと、それを断ち切った戦争の悲劇。
おりづるの旅
うみのしほ/作・狩野富貴子/絵(PHP研究所 本体1365円)
平和祈願の「折り鶴」が、日本から世界に広まっていったようすを絵で表現したノンフィクション絵本。少女の物語から平和への祈りが伝わってきます。(小学低学年から)
地雷の村で「寺子屋」づくり
カンボジアひとりNGO・栗本英世の挑戦
今関信子/作(PHP研究所 本体1365円)
いまだ内戦の爪あとが残る国・カンボジア。現地の子供たちのため、たったひとりで寺子屋づくりに取り組んでいる日本人の活動家・栗本さんを訪ねたノンフィクション。(小学高学年から)
折り鶴の子どもたち
原爆症とたたかった佐々木禎子と級友たち
那須正幹/作・高田三郎/絵(PHP研究所 本体1529円)
昭和30年、12歳の少女、佐々木禎子は原爆による白血病で世を去った。級友たちは彼女の霊をなぐさめ、平和への願いをこめて「原爆の子の像」を建設しようとする。(小学高学年から)
せんせい
岸川悦子/作・岡本順/絵(佼成出版社 本体1400円)
大好きなしのぶ先生が、突然、盲目に。献身的なこずえに、先生も心を開き、互いの存在が心の支えになる一方で、戦況は悪化していき…。(小学中学年)

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