“さがしています。こんな本”

月刊「こどもの本」2002年9月号より

中近東の本

 近所にイスラーム寺院があります。9・11のテロ攻撃とアメリカの報復戦争が始まって以来、ムスリムの人たちの、いままでにもましてひっそりとした様子に胸が痛みます。中近東地域の歴史や文化の無知を思い知らされている今、子どもと一緒に中近東の国と人について学びたいと思います。(東京・渋谷、母親)

国際理解に役立つ世界の衣食住

特別な日の食べもの

和仁皓明/監修(小峰書店 本体2800円)

イスラム教を信じる人にとって「ラマダン」とよばれる断食はとても大切なものです。それ以外にも各国の特別な日の料理を、多くの写真で紹介しています。(小学上級)

国際理解に役立つ世界の衣食住

今アジアの民族衣装

石山 彰/監修(小峰書店 本体2800円)

インド、パキスタンなどのイスラム圏の人々の衣服を、写真とコラムで紹介しています。独特のサリーやブルカ、ターバンの説明も詳しく載っています。(小学上級)

行ってみたいなあんな国こんな国(3)

中東・東ヨーロッパ

東 菜奈/作・絵(岩崎書店 本体2200円)

イスラエル、サウジアラビア、シリア、トルコ、ヨルダン、レバノンなどの国々の人々のくらしや風土、文化、宗教などをたのしく描いた本。(小学中級から)

総合学習に役立つみんなの世界遺産(4)

西アジア・アフリカ

城戸一夫/監修・清原 工/著(岩崎書店 本体3400円)

中近東の世界遺産を写真でわかりやすく紹介。カッパドキアの岩窟群/古代都市/ダマスカス/エルサレム旧市街/ペトラ/ペルセポリス他。(小学上級から)

六号病室のなかまたち

ダニエル・カルミ/作・樋口範子/訳(さ・え・ら書房 本体1300円)

イスラエル人の病院に手術のため入院したパレスチナ・アラブ人の少年が、同室の子供たちと民族・生活環境の違いをこえて心を交わしあうまで。(小学中級から)

心の国境をこえて

──アラブの少女ナディア
ガリラ・ロンフェデル・アミット/作・母袋夏生/訳(さ・え・ら書房 本体1500円)

アラブ人の少女が、未来の女医をめざしてユダヤ人の寄宿学校に進学するが……複雑で不安な情勢に揺さぶられながらも、ひたむきに生きる若者たち。(小学上級から)

なぜ戦争はおわらないのか

──ぼくがアフガニスタンでみたこと──
小林 豊/著(ポプラ社 本体1553円)

イスラム社会とは?民族紛争に解決の道はないのか?アフガニスタンを旅した体験をもとに画家の眼で描くノンフィクション。(中学生から)

せかいいちうつくしいぼくの村

小林 豊/著(ポプラ社 本体1200円)

内戦の続くアフガニスタンの小さな村を舞台に、戦争の中でも明るく力強く生きる人々の姿を描く絵本。続編に、『ぼくの村にサーカスがきた』がある。(小学初級から)

えほん北緯36度線

小林 豊/作・絵(ポプラ社 本体1300円)

日本から中央アジアへ。北緯36度線上のさまざまな土地でくらす人々をたずねる少年ふたりの心の旅を通じて、国境を越えた人間同士のつながりを描く絵本。(子どもからおとなまで)

中東百年紛争

──パレスチナと宗教ナショナリズム
森戸幸次/著(平凡社 本体740円)

同時多発テロの根源=中東紛争の軌跡を追い、パレスチナ問題激化の背景となるイスラエル・米国の政策と宗教ナショナリズムの深化を解明する。(中学から)

平凡社選書210巻

イスラームと民主主義

──近代性への怖れ
F・メルニーシー/著・私市正年・ほか/訳(平凡社 本体2800円)

イスラームと民主主義は敵対するものか?アラブ女性が、民主主義に恐怖するイスラームの政治社会を批判し、民主主義との対話の可能性を追求する。(中学から)

オリエンタリズム

(上)
E・W・サイード/著・板垣雄三・ほか/訳(平凡社 本体1553円)

ヨーロッパが抱くオリエントに対するものの見方・考え方に連綿と受け継がれて来た思考様式その構造と機能を分析し、批判する。(中学から)

イランのむかし話

井本英一/編・訳(偕成社 本体1456円)

かつてはペルシア帝国として多くの国々を支配したイラン。その国々の文化の影響や、イスラム教の習慣が伝わる10編のむかし話を収録。(小学中級から)

ユダヤのむかし話

高階美行/編・訳(偕成社 本体1456円)

祖国を滅ぼされ、苦難の歴史を楽天的に生きぬいてきたユダヤ人。その考え方や周囲の文化の影響を受けた、独特のむかし話を8編収録。(小学中級から)

トルコ・シリア

勝田 茂、高階美行/監修・こどもくらぶ/編・著(偕成社 本体2800円)

東西文明の十字路として古くから栄えた2つの国。国際交流の視点から古代の遺跡や人々の暮らしを紹介。(小学上級から)

「総合的な学習の時間」に役立つ情報事典

佐島群巳・田中 浩ほか/監修(文溪堂 本体1429円)

「環境と国際」の章で中近東の民族・地域紛争やイスラム原理主義等を平易に解説。その他「産業と情報」「自然」「健康と福祉」等の分野も充実。(小学中級から)

ぼくの小さな村 ぼくの大すきな人たち

ジャミル・シェイクリー/作・野坂悦子/訳(くもん出版 本体1100円)

中東5か国にまたがる地域クルディスタン。争いの絶えないこの地にも平和で心豊かな時代があった。クルド人の著者が素朴で温かい村の生活を丹念に描く。(小学中級から)

アリババと40にんのとうぞく

──アラビアン・ナイトより
清水たみ子/ぶん・鈴木康彦/え(金の星社 本体1100円)

偶然、とうぞくたちの宝ものを見つけて大金持ちになったアリババ。とうぞくたちはしかえしにきますが…。(小学初級から)

アラジンとふしぎなランプ

──アラビアン・ナイトより
土家由岐雄/ぶん・鈴木康彦/え(金の星社 本体1100円)

不思議なランプと指輪に住んでいる魔もののおかげで大金持ちになり、お姫さまとも結婚したアリババは…。(小学初級から)

ペルシャ湾の水鳥をすくえ

国松俊英/作・つだかつみ/絵(金の星社 本体1300円)

1991年に始まった湾岸戦争は、人間だけでなく、動物たちにも多大な被害を与えた。1人の日本人獣医師がペルシャ湾へむかう。(小学中級から)

生きのびるために

デボラ・エクス/作・もりうちすみこ/訳(さ・え・ら書房 本体1300円)

いま、世界中が注目するアフガニスタンで何がおきていたのだろう。11歳の少女の目をとおして、タリバンに支配されていたころの厳しい現実が語られる。(小学上級から)

田沼武能写真集

トットちゃんとアフガニスタンの子どもたち

田沼武能/写真・文(岩崎書店 本体1800円)

ユニセフ親善大使黒柳徹子さんと貧困と戦火の中を生きるアフガニスタンの子どもたちの姿を伝える、世界的写真家の写真集です。(小学上級から)