日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『ねばらねばなっとう』 林 木林

(月刊「こどもの本」2014年10月号より)
林 木林さん

歌わねば♪なっとう

『ねばらねばなっとう』は、歌いながら読むことができる替え歌絵本です。誰もが知っているお馴染みの童謡『静かな湖畔』のメロディーに乗せて納豆たちが運動会を繰り広げます。綱引き、玉入れ、障害物競走、組体操など、納豆の選手たちがテーブルやお皿の上で、ねばらねば!とばかりに大奮闘。時には糸を引いたり絡めたり…。可愛い運動会が微笑ましく進行していきます。

「童謡の替え歌絵本を」とご依頼頂いた時、もともと替え歌好きな私は、やったー!と心の中でガッツポーズ。子供の頃から好き勝手に替え歌で鼻歌を歌って遊ぶことは日常茶飯事でした。近年も何かの折にちょこっと披露することも。ですが、まさか仕事として替え歌を書くことになろうとは。若干物怖じしつつも、勢いで思いついた歌詞をお送りしてみたところ、思いがけず大好評を頂きました。そして、あれよあれよという間に事は運び、この替え歌絵本『ねばらねばなっとう』が誕生したというわけです。

 裏表紙には、輪唱曲バージョン「ねばねばりんしょうきょく」の歌詞を載せました。替え歌好きだからか、つい調子に乗って別バージョンも思いついてしまいます。当初、選手たちを応援する納豆応援団の応援歌も書いていて、どの見開きかに小さめに入れる予定でした。それはやめにして、応援歌のワンフレーズ「ねばれよ ねばれよ ネバー ギブアップ!」だけ書き文字で旗の絵の中に入れて頂きました。「ねばれ」と言いつつ自分たちのほうがねばねばに粘っているとぼけた応援団にもご注目。その他、この絵本には、たくさんの可愛い納豆さんたちが出てきます。よく見ると頭の上に何かをちょこんと乗せている納豆さんもちらほら。かいわれの葉、ネギの輪切り、紅しょうが、からし、白ごま、黒ごま…。お気に入りの納豆選手をみつけて、別の競技の時はどこで何をしているか探してみるのも楽しそう。

 ぜひぜひお家で、園で、様々な場で開いてみてください。一人で鼻歌で、みんなで合唱で。歌って、読んで、いっぱい遊んでもらえたら嬉しいです。

(はやし・きりん)●既刊に『はやくちまちしょうてんがい はやくちはやあるきたいかい』『おおきなけやき』など。

「ねばらねばなっとう」
ひかりのくに
『ねばらねばなっとう』
林 木林・さく
たかおゆうこ・え
本体880円