日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『星と星座をみつけよう』 森 雅之

(月刊「こどもの本」2014年6月号より)
森雅之さん

星を見つけよう

『星と星座をみつけよう』は、「星のことも星座のこともぜんぜん知らないよ、という若い人のためにつくられた本」です。

 中学生くらいの人に向けて、という企画でしたができてみれば、小学生が読んでも、もちろん大人が読んでも、「なるほど! そうなっているのか!」と、星座の見つけ方がわかる本になっているはずです。

「星座を見つけるのが趣味です」という人には、なかなかお目にかかりません。なるほど、街の明るい夜空に、小さな星を見つけるのは至難のワザ。といって、暗い夜空を求めて郊外へ出かけても、夏は虫、冬は寒さとの闘いで、そうしていくつかの星座を見つけたからといって、星のひとつも持って帰れるわけでもなし…。となれば、広く世間で流行らないのも、無理からぬ話かもしれません。

 でも、たとえば、「あ、もうクロッカスが咲いているぞ」とか、「キンモクセイの香りがするなあ」というように、春に「しし座がのぼってきたぞ」とか、秋に「カシオペヤ座がMの形になっているなあ」とか、星を見てそれとなく季節のことを思うのは、なんだかわるくないことだなあ、と思うのです。

 あるいは、部活か塾から家までの帰り、たまたま一緒になった、ちょっと好きな子。そのたそがれの道で、少しドキドキしながら、空を指差して、星の名前を教えてあげる、なんていう景色も、なんだか、とてもわるくないことだなあと思うのです。

 さて、この本のキーワードは四つ。

1.まずは北斗七星から
2.夏は夏の大三角から
3.秋は秋の四辺形から
4.冬は冬の大三角から

 どうぞこの本で充分に予習をして、そしていつか、その予習が役に立たぬほど、星座がわからぬほど、星でいっぱいの夜空の下に立ってみてください。実はそれが、私が読者の皆さんに、いちばんに見てもらいたいものかもしれません。

(もり・まさゆき)●既刊に『夜と薔薇』『散歩手帖』『すみれちゃん』など。

「星と星座をみつけよう」
誠文堂新光社
『星と星座をみつけよう』
森 雅之・著
本体1,300円