日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私がつくった本45
フレーベル館 本庄玲子

(月刊「こどもの本」2013年5月号より)
ゆうれいたんていドロヒュー(既刊3冊)

『ゆうれいたんていドロヒュー(既刊3冊)』
やまもとしょうぞう/作・絵
2012年7月〜

 ちょっとイケメンだとうぬぼれている幽霊の探偵、ドロヒューが主人公の絵童話シリーズを二〇一二年七月に刊行し、現在三巻が並んでいます。  

 探偵のマストアイテム、トレンチコートにはバラの花模様、幽霊だから肌は透き通るように白いドロヒューは……ナルシスト系イケメン・キャラ!

 作者のやまもとしょうぞうさんから提案されたキャラクターイメージにわくわくして、わくわくついでに読者対象となる子どもたちにぶつけてみました。

 小学校低学年女子にはすぐにぴん!ときたようで、「イケメンだ〜」と大ウケ。男子はというと青いコートと赤いバラの組み合わせに目が釘づけになり、敵キャラの妖怪にも興味津々。男女とも子どもたちの反応はかなり良好、期待大。社内では「?」の声ならぬ声もあったドロヒューは、子どもたちの支持を得て、めでたく誕生したのでした。

 内容は?というと、地獄から逃げてきた妖怪が人間界で事件を巻き起こし、ドロヒューといっしょに、双子のみこととまことが活躍して解決。ドロヒューが妖怪を地獄に連れ帰り一件落着です。

 ことば遊びや数遊びをヒントに事件を解決するのもこのシリーズの醍醐味だと思います。

 なかでも地獄のえんま大王がドロヒューたちに出題するなぞなぞは子どもたちに大人気。このなぞなぞに答えられないと、えんま大王から妖怪を地獄に戻すための道具が借りられないのです。

 たとえば、「こ」は「こ」でも にょきにょき のびながら ふくを ぬいで おとなになる「こ」は なあんだ? というなぞなぞ。

 わかりますか? にょきにょき服を脱ぐ? なんだろう。なぞなぞが得意なまことは、頭に「た」がつくものかも……とヒントをくれます。そう、答えは「たけのこ」です。

 なぞなぞは子どもたちも大好きで、感想を寄せたハガキが編集部へ届きます。とてもじょうずに絵を描いてくれるお子さんもいます。

 ハガキを読みながら、思いついた読者キャンペーンを、今年一月に刊行した三巻『のろいのスイーツやかた』で実施しています。感想文・画を募集して五巻の腰巻で発表しようというものです。応募者には小冊子「なぞなぞブック」を全員プレゼントしちゃおう!と読者の子どもたちに感謝の気持ちをこめました。

 お子さんたちから続々ハガキが寄せられ、みんなから愛されるキャラクターだと感じております。

 これからも、読者とともに成長していけるようなシリーズになることを願いながら、やまもとさんと毎巻、気合いを入れてつくっていきます!

 もうすぐ四巻が刊行する予定です。お楽しみに。