
風を切って水面を走る
わたしは海が大好きです!
若いころは年じゅう海に行って真っ黒に日焼けしていました。時代も日焼けブームで、健康的な小麦色の肌が素敵とされ、皆こぞってサンオイルを塗って肌を焼いたものです。
そのころはサーフィンブームでもあり、サーフィンをしないのにサーファーの格好をした
それから時は流れ、今は美白の時代です。肌にダメージを与える紫外線をふせぐため、日焼け止めを塗って日傘をさして、日差しを避けるようになりました。もちろん、わたしも日焼け対策はバッチリしています。
以前のようなサーフィンブームは去りましたが、若者や元若者の間で今もサーフィンは人気です。
そんなサーフィンが、東京2020オリンピックで初めて五輪種目になりました。会場は千葉県九十九里浜の釣ヶ崎海岸です。九十九里浜はわたしが子どものころ、家族でよく海水浴に行った海です。その海でオリンピックが行われるなんて思ってもいませんでした。しかも日本人が銀と銅のメダルに輝いたのです。その活躍を見て、サーフィンの話が書いてみたくなりました。
舞台はもちろん九十九里浜。どこまでも続く砂浜。青い海と濃い緑の松林。押し寄せる白い波。ちょっと冷たい海水。海の家の焼きハマグリ……。
いろんな記憶がよみがえってきたと同時に、想像もふくらんできました。
主人公は小5のひなた。引っ越した町でサーフィンに出会い、仲間とともに成長していく姿が。
サーフィンの魅力は自然との一体感です。波の上をすごいスピードで滑っていく爽快感! いろんな技を覚え、どんどん上達していくひなた。
母との葛藤や挫折を乗り越え、キッズサーフィン大会にのぞみます。
大自然の素晴らしさ、そして怖さ。広大な海でくり広げられるサーフィンの楽しさを味わっていただけるとうれしいです!
(あそう・かづこ)●既刊に『はじめての夏とキセキのたまご』『ふしぎなフーセンガム』『いちごりら』など。
小峰書店
『サーファーガール かがやく波に乗れ!』
麻生かづこ・作/かわいちひろ・絵
定価1,760円(税込)