日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『おとなの病気は、ぼくらが予防! 未来の健康防衛隊』(吉澤穣治)

(月刊「こどもの本」2019年2月号より)
吉澤穣治さん

体を大切にすれば、笑顔でいられる

「早くしなさい」「ゲームばかりしてないで、勉強しなさい」「姿勢悪いよ。目が悪くなるよ」「ちゃんとご飯食べなさい」などと、おかあさんやおとうさんから言われた経験が、みなさんあると思います。その時、きっと「うるさいなあ」と思ったでしょう。
「何の根拠があって言っているのよ!」という反抗的な気持ちに対して、「根拠があるのです。待ってました」と、未来からやってきた健康防衛隊、案内役のドクターうだちゃんとその仲間の先生方が登場します。
 この本では、子どもの頃の生活習慣を正しくすることで、成人期の発症を予防できる病気(心臓病・糖尿病・高コレステロール血症・脳卒中・がん・虫歯・歯周病・近視・難聴・骨粗鬆症・うつ病)について、専門の医師たちが、小学生にもわかりやすく解説しました。これらの病気は、子どもの頃からの、偏った食事習慣・運動不足・不規則な生活リズム、悪い姿勢・暗い部屋・スマホやヘッドホンの大音量などの積み重ねが原因で発症します。
 つまり、「今の自分」が「未来の自分」を作っているのです。
 ご両親からの貴重な助言が減り、思うがまま生活をしていると、ある時、突然やってくるのが、成人病です。成人病になってから、そう言えば、子どもの頃におやじやおふくろから、「よく注意されてたよな」と後悔するのです。
 多くの大人たちが、成人病になってから、運動したり、食事に気を配ったりし始めますが、それでは手遅れですし、改善するにはとても苦労します。一方、子どもの頃に身についた良い習慣や考えは、大人になってからも自然に続くものです。
 ドクターうだちゃんは、子どもたちの笑顔が大好きです。子どもたちの笑顔が一生続くように何か役に立つことはないかといつも考えています。子どもたちがこの本を読んで、体を健康に保つことを大切に思ってくれれば、きっと大人になってからも笑顔でいられるでしょう。そんな子どもが一人でも増えてくれることをドクターうだちゃんは願っています。

(よしざわ・じょうじ)●既刊に『からだ♥あいうえお』『おいしゃさんがこどもだったとき』。

『おとなの病気は、ぼくらが予防! 未来の健康防衛隊』本体2,200円
保育社
『おとなの病気は、ぼくらが予防! 未来の健康防衛隊』
吉澤穣治・監修 都 あきこ・イラスト
本体2,200円