日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『ボンとハレトモのぼうけん しゅばばばばばばびじゅつかん』 uwabami

(月刊「こどもの本」2017年2月号より)
uwabamiさん

楽しい!のはじまりはほんの少しの好奇心

 最初の打ち合わせで「どんな絵本にしたいですか?」と編集者さんから聞かれました。色々と考えた後、「私たちのメインキャラクター、リスのボンと少年のハレトモをぜひ絵本に!」と、初めての絵本制作が始まりました。でも、どんな世界をボンとハレトモに冒険させようか? そして、私たち自身も子どもたちも楽しめるテーマって?そうこう考えているうちに「そうだ!美術館が面白いかも!」と思いついたのです。何しろ私たちは、ちょうど美術館巡りにはまっていたので!

 ちなみに、みなさんは美術館と聞くと、どんな場所を思い浮かべますか?静かで落ち着く場所? 面白い発見がある場所? なんだか難しそうで苦手な場所?

 私たちは美術の大学に行き、それなりに美術について学びましたが、美術館で見る作品には、今でもよくわからないものがたくさんあります。みなさんも、これのどこが名作なのかしら?と思うことがあるのではないでしょうか。でも、きっとそれでいいのです。作品の楽しみ方は決まっていませんから、よくわからないな、と感じたら、その謎を楽しめばいいのだと思います。もちろん、作者の人柄や作られた時代などの知識を得たからこその楽しみ方もあります。でも、それだけではなく、見たままの形や色の美しさを楽しんだり、友達に似てるなーとか、美味しそうだなーとか、この色は間違えて塗ったのかなー? など、色々想像して楽しんでいいのです。

 美術作品はどんな作品も、鑑賞者を感動させる要素を必ず秘めています。そうした作品に出会える場所が美術館で、その感動の要素を発見するのはみなさんの好奇心です。絵本を読んで、美術館に行きたい! と思ってもらえたら最高です。

 そして実はこの作品、エキストラ公募をし、一般の人たちに絵本の世界に登場していただきました。私たちのオリジナル画法「キャラストレーション」の要素も入り、「楽しい」がぎゅっと詰まった作品になりました!

(うわばみ)●本書が初めての絵本。

『ボンとハレトモのぼうけん しゅばばばばばばびじゅつかん』

ひさかたチャイルド
『ボンとハレトモのぼうけん しゅばばばばばばびじゅつかん』
uwabami・作・絵
本体1、400円