日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

“さがしています。こんな本”

月刊「こどもの本」2015年7月号より

戦後70年を考える

ちいちゃんのかげおくり
あまんきみこ/作・上野紀子/絵(あかね書房 本体一三〇〇円)
夏のはじめのある朝、小さな女の子のいのちが、空にきえました。─悲惨な戦争の中に幼い命をとじた女の子の姿を、静かに描く。(小学低学年から) ISBN978-4-251-03011-5

おはじきの木
あまんきみこ/作・上野紀子/絵(あかね書房 本体一三〇〇円)
げんさんは、戦争中の空襲で幼い命をとじたかなこが、おはじきをしていたという1本の木を訪ねます…。戦争の悲しみを伝える絵本。(小学低学年から) ISBN978-4-251-00923-4

平和を考えよう(全2巻)
竹中千春/監修・下郷さとみ/文(あかね書房 本体各四二〇〇円)
過去の歴史も身近な現在も当事者の気持ちで見つめ、「平和」について考えていくきっかけを作る平和学習に必携のシリーズです。(小学高学年から) ISBN978-4-251-90493-5

おうじょさまとなかまたち
アローナ・フランケル/文と絵・もたいなつう/訳(鈴木出版 本体一四〇〇円)
王女様と動物たちの平和な国に紛れ込み、平和を脅かす小さなイモムシ。それに毅然と立ち向かう王女様…。平和の尊さをしみじみと感じる絵本です。(4、5歳から) ISBN978-4-7902-5164-4

ヒットラーのむすめ
ジャッキー・フレンチ/作・さくまゆみこ/訳(鈴木出版 本体一四〇〇円)
もしも自分が、ヒットラーの娘だったら…。戦争体験のない現代の子どもたちが、過去や遠い地域の出来事ではなく身近な問題として、戦争を考える物語。(小学高学年〜中学生) ISBN978-4-7902-3149-3

はじまりのとき
タィン=ハ・ライ/作・代田亜香子/訳(鈴木出版 本体一六〇〇円)
戦火のベトナムを逃れ、難民としてアメリカに渡った家族はどんな生活をしたのか…。少女の目線で見た「戦争」とは? 戦争の不条理さが心にしみる物語。(小学高学年から) ISBN978-4-7902-3288-9

約束 「無言館」への坂をのぼって
窪島誠一郎/作(アリス館 本体一四〇〇円)
さえない少年時代をおくった窪島氏。左手のない老画家と出会い、ある約束をします。「希望をもって生きる」喜びを伝える絵本。(小学高学年から) ISBN978-4-7520-0502-5

いのち わたし、画学生さんのぶんまで生きる
窪島誠一郎/作(アリス館 本体一四〇〇円)
いじめに遭い、絶望に打ちひしがれていた少女が、無言館をおとずれ、希望と勇気を見いだすまでを描きます。『約束』の第2弾!(小学高学年から) ISBN978-4-7520-0549-0

わたしたちの「無言館」
窪島誠一郎/作(アリス館 本体一〇〇〇円)
小学校高学年・中学生に向けた「無言館ガイド」。「戦争」の悲惨さと戦没画学生たちの生命の輝きをガイドします。(小学高学年から) ISBN978-4-7520-0586-5

かわいそうなぞう
つちやゆきお/ぶん・たけべもといちろう/え(金の星社 本体一一〇〇円)
世界中の子どもたちの小さな心にだけでなく、戦争を知らない全ての大人たちの心にも語り伝えたい、本当にあった、かわいそうなゾウの物語。(幼児から) ISBN978-4-323-00211-8

新版 ガラスのうさぎ
高木敏子/作・武部本一郎/画(金の星社 本体一一〇〇円)
東京大空襲で母と妹をうしない、その後、機銃掃射で父をも─。戦争の中を生きぬいた著者が、平和への祈りをこめてつづった感動のノンフィクション。(小学高学年から) ISBN978-4-323-07012-4

漫画家たちの戦争(全6巻)
中野晴行/監修(金の星社 揃本体一八〇〇〇円)
手塚治虫、水木しげる、中沢啓治など内容も年代も幅広く収録。漫画家たちはあの戦争をどう伝えてきたのか。今だからこそ読んでおきたい奇跡のシリーズ。(小学高学年から) ISBN978-4-323-94240-7

ぼくが見た太平洋戦争
宗田 理/著(PHP研究所 本体一一五〇円)
戦時中を愛知県下ですごした著者が、勤労学徒450名が犠牲になった豊川の大空襲・三河大地震、タコツボ特攻作戦など、中高時代の戦争体験を語ります。(小学高学年〜中学生) ISBN978-4-569-78414-4

六千人の命を救え! 外交官・杉原千畝
白石仁章/著(PHP研究所 本体一四〇〇円)
1940年、リトアニア駐在の外交官・杉原千畝は、迫害されていた多くのユダヤ人に日本通過ビザを発給した。勇気と信念の生き方を紹介する。(小学高学年から) ISBN978-4-569-78410-6

おりづるの旅 さだこの祈りをのせて
うみのしほ/作・狩野富貴子/絵(PHP研究所 本体一三〇〇円)
原爆症のため亡くなった貞子の悲しみが、平和祈願の「折り鶴」とともに、日本から世界へ広まっていったようすを描いた感動のノンフィクション絵本。(小学中学年〜中学生) ISBN978-4-569-68405-5

パオズになったおひなさま
佐和みずえ/著・宮尾和孝/絵(くもん出版 本体一二〇〇円)
日本人のよっちゃんと中国人のリンちゃん。せっかく仲良しになったのに、戦争が2人を引き離しました。2人が友情の証として交換したものとは……?(小学高学年から) ISBN978-4-7743-2267-4

ひがん花の赤いじゅうたん 小栗大造と童話作家・新美南吉の〈平和〉への祈り
宮内純子/文・小坂 茂/絵(くもん出版 本体一三〇〇円)
「平和への祈り」を胸に、ふるさと矢勝川の堤防に彼岸花を植えつづけた小栗大造。その半生と運動の広がりを描く、感動のノンフィクション。(小学中学年から) ISBN978-4-7743-2262-9

娘よ、ここが長崎です 永井隆の遺児、茅乃の平和への祈り
筒井茅乃/作・松岡政春、保田 孝/写真(くもん出版 本体一三〇〇円)
平和への願いを訴え続けた永井博士。その遺児・茅乃は、そんな父の姿を見つめて成長し、今、母となって平和の尊さを語り伝えます。(小学高学年から) ISBN978-4-7743-1241-5

ふたりきりの戦争
ヘルマン・シュルツ/作・渡辺広佐/訳(徳間書店 本体一四〇〇円)
第2次大戦末期のドイツ。家族を失った14歳の少女は、ロシア人の少年と出会う。極限状態の中で、国を超えて芽生えた友情を描く感動作。(10代から) ISBN978-4-19-862236-7

その時ぼくはパールハーバーにいた
グレアム・ソールズベリー/作・さくまゆみこ/訳(徳間書店 本体一六〇〇円)
ハワイに暮らす少年トミカズの生活は、日本軍のパールハーバー攻撃をさかいに、がらりと変わった。悩みながらもたくましく生きる少年の姿を鮮やかに描き出す。(小学中、高学年から) ISBN978-4-19-860884-2

猫の帰還
ロバート・ウェストール/作・坂崎麻子/訳(徳間書店 本体一六〇〇円)
出征した主人を追って旅を始めた黒猫は、戦禍のイギリス各地でさまざまな人と出会う。戦争児童文学の第一人者ウェストールによる忘れがたい作品。(小学中、高学年から) ISBN978-4-19-860911-5

集団疎開の絵本 お母ちゃん お母ちゃーん むかえにきて
奥田継夫/ぶん・梶山俊夫/え(小峰書店 本体一三〇〇円)
戦争に勝つまではと、家族と別れ、集団疎開をしたぼく。食べものもなくなり、毎日がつらくて、ぼくは必死でおがんだ。お母ちゃん、はよ、むかえにきて!(小学低学年から) ISBN978-4-338-01632-2

ひろしまのピカ
丸木 俊/文・絵・丸木位里/協力(小峰書店 本体一五〇〇円)
1945年8月6日、広島は原子爆弾によって、多くの尊い命が失われました。この悲劇を二度とくりかえしてはならないという願いがこめられた絵本。(小学低学年から) ISBN978-4-338-02201-9

海をわたった折り鶴
石倉欣二/作(小峰書店 本体一四〇〇円)
《原爆の子の像》のモデルである佐々木禎子。サダコの短くも懸命に生きた生涯と、その後の思いがけない広がりを強く、あたたかく描く。(小学低学年から) ISBN978-4-338-18038-2

そして、トンキーもしんだ
たなべまもる/ぶん・かじあゆた/え・小森 厚/解説(国土社 本体一三〇〇円)
太平洋戦争のさなか、上野動物園でゾウや猛獣たちが処分された。NHKテレビでも報道された当時の真相を明らかにした絵本。(幼児〜小学低学年) ISBN978-4-337-33006-1

語りつぐ戦争 平和について考える 二せきの魚雷艇
坪田理基男/文・津田光郎/絵(国土社 本体一四〇〇円)
人が人を信じられなくなる悲惨な「戦争」の現実を、聞き書きをもとに、ときにユーモアをまじえて、読みやすくまとめた12編。平和の手引きに最適。(小学高学年〜中学生) ISBN978-4-337-07121-6

あの戦争のなかにぼくもいた
石浜みかる/作・垂石眞子/絵(国土社 本体一六〇〇円)
クリスチャンの父は、街頭布教のため特高につかまり刑務所に。子どもたちは、まわりや学校で「非国民」と差別された、あの時代を描く。(小学高学年〜中学生) ISBN978-4-337-20801-8

絵で読む 広島の原爆
那須正幹/文・西村繁男/絵(福音館書店 本体二六〇〇円)
原爆の開発から投下にいたる歴史的背景、当時の町の様子、人々の暮らし、そして核兵器の原理、放射線障害など、今日の視点で多角的に扱っています。(小学高学年から) ISBN978-4-8340-1265-1

ぼくと戦争の物語
漆原智良/作・山中桃子/絵(フレーベル館 本体一二〇〇円)
東京・浅草に育った少年心平。昭和19年、激しくなる戦争で福島の祖母の家に疎開するが、東京大空襲で一家全員を亡くす。それでも心平は強く生きていく。(小学中学年から) ISBN978-4-577-04250-2

やなせたかし おとうとものがたり
やなせたかし/詩・画(フレーベル館 本体一五〇〇円)
早くに父を亡くし、母とも離れ離れになった兄と弟。アンパンマンの作者・やなせたかしが太平洋戦争で散った弟・千尋との思い出を綴った幼物語。(小学中学年から) ISBN978-4-577-04259-5

名前をうばわれた少女 わたしはエファじゃない
ジョアン・M・ウルフ/作・日当陽子/訳・朝倉めぐみ/絵(フレーベル館 本体一四〇〇円)
ナチスによって、故郷、家族、名前さえも奪われた11歳のチェコの少女を通して、人間の残酷さと、前に向かって生きようとするすばらしさを描く。(小学中学年から) ISBN978-4-577-04024-9

子どもたちへ、今こそ伝える戦争 子どもの本の作家たち19人の真実
講談社/編(講談社 予価二〇〇〇円)
戦後70年に際し、子どもの本の作家から子どもたちへ、直接戦争の体験を語ってもらう書き下ろしのアンソロジー。年代も状況もさまざまな、渾身の19本。(小学中学年から) ISBN978-4-06-219626-0