日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『ツリークライミングはぼくの夢』 あんずゆき

(月刊「こどもの本」2015年1月号より)
あんずゆきさん

英語をもっと…もう遅い!?

「ツリークライミング? 木に登る?なんて楽しそう!」

 初めての取材の日、子どものころから木が大好きな私は、わくわくしながらツリークライミング・ジャパンの体験会に向かいました。

 訪れた先には、森があって、子どもたちがたくさんいて、その真ん中に大木のようなジョン・ギャスライトさんがいて…。木々に癒されつつ、みんなのはしゃぐ声や笑顔のなかですごした時間、このふれ合いこそ、ノンフィクションを書く醍醐味かも、と思います。

 その体験会の後、私はジョンさんの車に同乗し、ご自宅を訪問することになったのですが、実は、車中で驚いたことがありました。

 ジョンさんが、私の緊張を察して、尋ねたいであろうことの答えを、英語まじりの日本語でユーモアたっぷりに次から次へと喋り続けてくれるのです。さすがに、こんな人にお目にかかったことはありません。

 彼はテレビタレントとしても活動していて、よく、おもしろい外国人と言われるそうですが、それ以上に思いやりの人でもありました。

 
 そんな風に始まったご自宅でのインタビュー。「日本人とは日本語で会話するけど、熱が入ると英語になる」というジョンさんから、「英会話は初級以下」の私が話を聞くわけですから、日本人の弘子夫人にとても助けられました。

(英語がもう少ししゃべれたら、ジョンさんの魅力をもっと感じることができたのになあ)

 そう思ったのは一過性の熱病なのでしょうか。

 でも、今さら、と打ち消すのに、未だに気になっているし、いつかまた同じ後悔をしないためにも、英会話に取り組んでみようかなあ。

 あ、自分で書いた本の一文が目に留りました。

「できることからやってみよう!」

 ほんとほんと。木にのぼるのも、語学も、まずは最初の一歩から。

 ついでに言うと、本のラストは、

「夢が広がるよ!」なんです。

 これはもう、やるしかない!

あんずゆき●既刊に『ホスピタルクラウン・Kちゃんが行く』『返そう 赤ちゃんゴリラをお母さんに』など。

「ツリークライミングはぼくの夢」
佼成出版社
『ツリークライミングはぼくの夢』
あんずゆき・文
本体1,500円