日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『ポポくんのみんなでおすし』 accototo ふくだとしお+あきこ

(月刊「こどもの本」2014年4月号より)
accototo ふくだとしお+あきこ(あっことと)

ポポくん絵本

 かばのポポくん絵本を一番初めに描いたのは、二〇〇八年の夏でした。

 編集長から「〝作る〟がテーマで、ストーリーを先に考えて、後で絵を描く方法で絵本をつくってみてください」という提案をいただきました。一見当たり前の作り方のようですが、それはこれまでの私たちの絵本制作とは真逆の方法でした。今までは、絵の流れが先に浮かび、そこに言葉を添えるというやり方をとっていたからです。

 次々に浮かんでくる情景を、とりあえず頭の片隅に置いておき、まず先にお話を考えました。私たちaccototoは、二人で制作しているので、はじめに大まかな流れを話し合いながら、その後それぞれで話を考え、二人で見せ合って話し合い、足したり削ったりしてストーリーの形を整えていきました。

 そしてお話が出来上がると、再びそれぞれで絵を考え、出来たらお互いに見せ合い、良い方を選んだり、二人の絵をくっつけたり、一から描き直す等々。

 そんな方法で作って出来たのがポポくんシリーズ第一作『ポポくんのミックスジュース』でした。

 その後、ポポくん絵本はシリーズとなり『ポポくんのおんがくかい』『ポポくんのかぼちゃカレー』『ポポくんのかきごおり』と続き、この度シリーズ五作目となる『ポポくんのみんなでおすし』が出来上がりました。

『ポポくんのみんなでおすし』は、親子で作ってみたいもの、作れるものってなんだろう?と考え、せっかくなので素晴らしい文化を持っている日本らしさを子どもに伝えたいと、今回のお話が生まれました。

 握り、海苔巻き、いなり、ちらし、一言でお寿司といってもそこには沢山の、彩り豊かで味わい深い世界が広がっています。子どもたちも大好きなお寿司をこの『ポポくんのみんなでおすし』を読んで、家族みんなでワイワイ言いながら作ってもらえたらと思います。そしてポポくんたちと同じように、なんでも自分で作ってみようという挑戦する気持ちが芽生えてくれたら、それはもうとても嬉しいことです。

『ポポくんのみんなでおすし』を是非お楽しみください。

accototo ふくだとしお+あきこ(あっことと)●既刊に『ポポくんのミックスジュース』『ポポくんのおんがくかい』『ポポくんのかぼちゃカレー』など。

「ポポくんのみんなでおすし」
PHP研究所
『ポポくんのみんなでおすし』
accototo・作・絵
本体1,200円