日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『ぱんだぱんだ』 しばはら・ち

(月刊「こどもの本」2013年11月号より)
しばはら・ち さん

「大きくなっていく」?

『ぱんだぱんだ』の絵本は私のオリジナルの豆本「ぱんだなんだ」を幼年絵本に仕立て直したものです。「ぱんだ」「うんだ」、「ぱんだ」「のんだ」というように「ぱんだつながり」の動詞が繰り返して出てくる言葉遊びになっています。

 ぱんだの文字の画面では「どうしたのかしら」と、親ぱんだの表情から思いを膨らませて、ページをめくっていけるようになっています。

 ここまでは作者が「あーでもない、こーでもない」と考えた部分です。

 さて、この絵本ができあがって間もなく、三歳の妹がいる小学生くんがこんなことをいいました。「このぱんだちゃん、だんだん大きくなっていくんだね」「大きくといっても体はめちゃくちゃに大きくはならないよ」「そうじゃなくてだんだん成長していってるね」どういうことかというと、この絵本では、まず子ぱんだが生まれて、おっぱいを飲んで、動き回って、積み木遊びをはじめて、そして絵本を親ぱんだといっしょにみるようになります。

 絵本のはじめに生まれた子ぱんだちゃんは、おしまいにはお母さんといっしょに絵本をみるほどに育った、といいたかったのです。まるで、小学生くんの妹が育ってきたのに、重ね合わせるように……。

「いいことに気づいたね」と小学生くんを褒めておきました。

「はえば立て、立てば歩め……」と言いますが、次に出来そうなことはなんだろうとつないでいったことが、結果的には成長になったのですが、こんな気づきを話してもらえることも、作者にはとてもうれしいことです。

 一応、作者も子ぱんだちゃんの成長を縦軸にして考えた、としておきましょう。

 それから、見返しには、ぱんだの親子の顔がいっぱいかいてあるのですが、はじめの見返しと後ろの見返しを見比べると……ちょっと違うんですよ。

 こういうことができるのも、絵本の楽しいところです……いや、私がいたずら好きなのでしょうか。

●既刊に『あみものおつきさま』『やまのすもうだはっけよい!』『ことば遊び ネタのタネ』など。

「ぱんだぱんだ」
新日本出版社
『ぱんだぱんだ』
しばはら・ち・さく・え
本体800円