日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『モリくんのハロウィンカー』 かんべあやこ

(月刊「こどもの本」2013年11月号より)
かんべあやこさん

ハロウィンをとことん楽しもう!

 モリくんシリーズの今回四作目は、

「少し趣向を変えてハロウィンの絵本にしませんか?」

と編集者さんから提案がありました。モリくんはコウモリですからハロウィンはうってつけです。

 ちょうどその頃、地元でやっていたハロウィンのおまつりで大きなかぼちゃを手に入れていたところだったのも幸運でした。今回もかぼちゃをくりぬいて実際にハロウィンカーを作ってスケッチなどもできました。

 ハロウィンは、最近日本でも少しずつ浸透してきているようですが、まだどういう行事なのかよくわからないというのが現実のようです。

 そこでハロウィンを紹介しつつ、うんと楽しんでもらおうと思いました。 四作目ともなればモリくん達だってお互い慣れ、トラブルも出てくるはず。 そこで私の保育士の友人に日頃幼児にありがちなトラブルって何? などと聞きながらお話を進めていきました。

 今回はねずみの兄弟二人にトラブルメーカーになってもらいましたが、問題を起こした側より起こされたモリくん達に焦点を当てたいと思いました。お話はどうやって収束するか、というところでおばけの出現があり、モリくん達はお菓子を手放しておとも達を許します。でも、実はおばけはみんなの心でモリくん達は自分達の心と闘っていたんですね。そしてその結果みんなしあわせな気持ちになれたわけです。

 相手との関わり合いというのは、自分の考え方一つで変わるのだとモリくん達に教えられた思いでした。

 絵のほうではハロウィンのイメージのカラフルで華やかな夜、だけどちょっと妖し気な毒気のある色使いにし、アメリカンポップなお菓子を盛りだくさんに入れ、子ども達のあこがれになる夢のような絵にしたいと思いました。

 おまけに、カバーのソデに仮装グッズになる工作めがねをつけ、ハロウィンをとことん楽しんでもらうことにしました。私も作っている間とても楽しめたので、読者にも楽しんでもらえるのではと思っています。

●既刊に『モリくんのおいもカー』『モリくんのすいかカー』『ミミちゃんのおたんじょうびケーキ』など。

「モリくんのハロウィンカー」
くもん出版
『モリくんのハロウィンカー』
かんべあやこ・さく
本体1,200円