日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『きんのおのとぎんのおのとたくさんのおの』 きしらまゆこ

(月刊「こどもの本」2021年6月号より)
きしらまゆこさん

気のいい神様がおおいそがし?!

この絵本は、各見開きの右ページにめくるしかけがついていて、しかけを開かないまま進むと名作絵本(二十ページ)として読め、しかけを開きながら進むと新しいストーリーが加わった新作絵本(四十ページ)として読める「2WAYおはなしブック」シリーズの四作目です。

『3びきのこぶた』『おおきなかぶ』『うさぎとかめ』と続き、今回の名作は『きんのおのとぎんのおの』。

落とした斧はどれかと神様がきこりを試して、正直者には良い事があり、よくばってはダメと教えてくれる有名なお話です。

でも、じつは……神様はきこりを試そうとしたのではなかったのかも?! 湖の底には沢山の斧が落ちていて、どれがきこりの斧なのか神様が本当にわからなかったのかも?!

そんなちょっとゆるい新ストーリーが新作部分には加わっています。ぜひ名作も新作も読んでみてください。新作を読んだ後にもう一度名作を読むとまた違った作品になっているかもしれません。1冊で2冊分、もしかしたらそれ以上に楽しんでいただけるかも?!

絵本って、読むたびに色々な世界に連れて行ってくれて、本当に楽しいですよね。

私は子どもの頃はもちろん大人になってからも絵本が大好きです。色々な絵本を読みましたが、昔からよく、「幸せに暮らしました」とあれば「どんな風に暮らしたんだろう?」、「仲良く遊びました」とあれば「どんな風に遊んだんだろう?」と想像したり、物語の主人公ではないキャラクターを主人公にして新たなお話を考えたりと、好き勝手に世界を広げて、自分の好きな物語をつくって遊んでいました。

その子どもの頃からの遊びが功を奏して、このシリーズができあがった気がします。

『きんのおのとぎんのおのと◯◯』、みなさんもぜひ別のストーリーを考えてみてください!

自分の好きな物語をつくるのって、楽しくておすすめです!

(きしらまゆこ)●既刊に『3びきのこぶたと4ひきめのこぶた』『おおきなかぶとちいさなかぶ』『うさぎとかめとあり』など。

『きんのおのとぎんのおのとたくさんのおの』"
教育画劇
『きんのおのとぎんのおのとたくさんのおの』
きしらまゆこ・作・絵
定価1,320円(税込)