日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『いってらっしゃいうんちくん』 ナカオマサトシ

(月刊「こどもの本」2016年7月号より)
ナカオマサトシさん

お腹の中の、ファンタジー

みなさん、こんにちは。この度、私は絵本『いってらっしゃいうんちくん』の作を担当させてもらいました。
 今回の絵本づくりは、画家イヌイマサノリ氏の「世界中でワクワクドキドキして、楽しい! と言ってもらえる絵本をつくりましょう!」という一声からスタートしました。
 これまで、世界中に! なんて、思ってもいなかったので、衝撃的な発言でした。まずはお話を考える前に、世界の人々の笑顔を思い浮かべることから始めました。そうして、徐々に物語を書いていきました。
 私は、ご飯を食べるのが、あまり好きではない子どもでした。だから、「ご飯を食べると、お腹の中にいる小人さんが大喜びしている」そして、食べたものからうんちを作る際、「好き嫌いすると、ヘンテコなうんちになってしまい、バランス良く食べると、うんちが黄金になる!」そんな楽しいことがお腹の中で起こっていると思えば、「ご飯を食べたい!」「食べるって楽しい!」につながるだろうと思い、つくっていきました。
 元気よくうんちを送り出す。それもお腹の中の小人さんのお仕事です。
 絵本の中に登場するうんちは4種類。弱々しいフニャフニャうんち、力強いムキムキうんち、丸いコロコロうんち、色も長さもつやも素晴らしい黄金うんちです。さっそく、読んでくれたお子さんやお母さんから「今日は、黄金うんちだった!」とか、「毎日トイレを楽しむようになりました」という声が入ってきて、とても嬉しいです。
 この絵本には、何度も剥がしたり貼ったりできる「黄金うんちシール」が、表紙についています。そのかわりに、帯はついていません。帯かシールか、じっくり制作サイドで話し合い、最終的には子どもに喜んでもらえる方を選びました。自分の好きなところに貼って遊んでくださいね。
 この絵本を通し、見た事のない世界観に触れ、想像力の扉を開けるお手伝いができる事を願っています。ぜひ、読んでください。

(なかお・まさとし)
●既刊に『ぞうきんレスラー』『ちょんまげとんだ』『うれないやきそばパン』など。
『いってらっしゃいうんちくん』

ひさかたチャイルド
『いってらっしゃいうんちくん』
ナカオマサトシ・さく
イヌイマサノリ・え
本体1、300円