児童出協のこと、そして入会への誘い

日本児童図書出版協会会長 竹下晴信


 出版活動は個々の出版者が行えばよい、と考える向きもないとは言えないであろう。

 当会は1953年3月に13社が集まって結成された。会の活動の基本は、78年に改定された会則にある。改定を主導したのは当時の会長今村廣氏で、氏は協会活動の基本を「児童出協の理念は、子どもの本の出版と普及を通して日本文化の向上を図り、同志として理念の実現を目指し、一社では成しえない事業を、時代と情況に応じて共に活動するものである。さらに業界内活動に加えて、生活の中での本と読書の重要性について読者に絶えず働きかけていかなくてはならない。」としている。その時以来、児童出協は「日本文化の創造」という普遍的理念を持ち、諸団体・諸機関とも連携できる基本となった。

 そして90年代に入って、当時国会議員であった肥田美代子氏(現文字・活字文化推進機構理事長)と、子どもの読書環境の整備という目標を共有するようになった。その結果、学校図書館図書予算が執行され、それは93年から現在まで続く施策となっている。子ども読書年の決議をはじめとする、肥田氏の成した種々の読書と図書館に関する制度・政策の形成過程に参画できたことは意義深いことである。これらの成果は、子どもたちの読書環境の向上に寄与したのは無論のこと、出版界全体に及んだ。肥田氏に深く感謝申し上げる。

 前述の通り78年に会則が改定され、活動内容も変わっていった。会員も増え、より客観性の高い会則が求められたため、94年には32条から成る会則に改定された。しかし児童出協の理念に賛同しようとも入会条件が厳しく、入会しにくい状況であった。

 このような流れにあって、2015年より会則の大幅な改定作業が続けられてきた。そして16年9月、拡大幹事会の議を経て総会にて会則改定が承認された。主な改定点は、「会員」の章と「会員既定(内規)」の変更である。それは、当会の理念にご賛同いただく未加盟出版社への呼びかけでもある。多くの出版社と共に活動できることを望んで止まない。